1.野良猫 雲丹ちゃん 突然現れた!編




きなみちゃんを里子に出して一ヶ月後くらいかな。餌を貰いに来ていた野良猫足袋子と一緒に茶白の子猫が餌を貰いに来るようになりました。見たところ生後三ヶ月くらいでしょうか。足袋子の子じゃ無さそうだし(毎日来る足袋子の子ならもっと早くに来ていたはず)近所で子を連れたメス猫を見た事も無かったので誰の子か不思議でした。

その内、この茶白の子猫は単独で我が家に餌を貰いに来るようになりました。完全なる野良猫の子のようで警戒心が強く、触る事など不可能だったので、来れば餌をやる、ただそれだけの関係が続きました。
 一ヶ月ほど毎日餌を与えていると、足元まで近寄ってくるようになった茶白猫。この子に『雲丹ちゃん』という名前を付けました。毛色がメキシコ産のウニのようだという妹が名付け親です。

そしてやって来た真冬。2004年の博多は珍しく雪の多い年で、野良猫達には辛い冬だったと思います。この雲丹ちゃんも雪の降る日に寒さに耐えられなかったのか、鳴きながら我が家に飛び込んで来ました。今まで餌を食べ終わるとさっさと出て行っていた雲丹ちゃんがマダラの自室に入り込んだきり外へ出て行きません。私は猫嫌いの父に見つからぬよう祈りながら、夜間だけ自室に匿いました。マダラの自室に篭城した雲丹ちゃんはアンカの上でグッスリ寝ていました。きっと彼にとって人間の家は天国のような暖かさだったのでしょう。

それから一ヶ月。雲丹ちゃんはすっかり人間に馴れてしまいました。触る事は不可能でしたが、人間を怖がりません。マダラが帰宅後、外で名前を呼べば走って出てくるまでになりました。野良猫が人間に馴れるのは本人にとって危険な事です。人間に馴れたばかりに虐待に遭う確立が高くなるワケだから。この頃から雲丹ちゃんを保護する事を考えはじめました。しかし、世の中そう巧くは行かないのです。   次回に続く。





へっぽこ写真集TOPへ戻る Next