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マグマの性別が最初、分らなかった。玉が無いのでメスだろうとは思ったが、あまりに体が大きいし人相は悪いしで、ひょっとしたら去勢済みのオスかもしれないと思っていたのだ。
ところが我が家に来て三ヵ月後、いきなり発情期がやって来たのだ。これで間違いなくメスである事が判明したのだが、あまりの大声に家族は不眠症状態に陥った。
『どげんかしろっ(どうにかしろ)』と父に言われ、これは避妊手術しかないと決意するがその金が無い・・・。
で、二万円を握り締めて両親に相談した。『こがしこ(これだけ)しか出せんとよ。足りん分、出して』と。すると父は一分ほど黙った後、おもむろに立ち上がった。
そして電話機の前に立ち、電話帳を繰りだした。で、電話を掛け、相手に挨拶しだした。
『俺たい、猫木たい。元気や?。猫の避妊手術したいけど、幾ら掛かる?。二万で出来んや?。出来る?。そうか。ありがと』
ひとしきり喋った後、電話を切る父上。私&母&妹は頭の上に幾つもの?????が浮かんでいた。 |