マグマの眼が
 月に二回の血液検査と療法食で悪いながらも病状が落ち着いていたある日・・・。
朝、いつものようにマグマにおはようと声を掛けに近寄ったら・・・マグマの片目が真っ赤になっていた。まるで喧嘩で殴られた後の ように眼が充血していたのだ。私は咄嗟に『脳内出血?!』と思い、その朝慌てて病院に連れて行った。 病院に連れて行くと医者が『血圧が上がっている可能性がありますね。今日は血圧計が本店のほうにあるので明日、またお越し下さい。 血圧計を準備します』という。なんだそりゃと思いつつも文句など言えないので翌日出直す事になった。
で、翌日。
暴れるマグマを三人がかりで押さえつけ腕に血圧計を装着する。医者が『300ありますよ、高いですね』と言う。 300がどのくらい高いのか分からない私が猫の平均は?と聞くと『人間とほぼ変わらないのですよ』と言う。焦る私。300って 倒れてもおかしくない数字じゃない?!。再度『マグマはどう見てもおかしいんです。目が見えていないと思うんです』という私に 医者は『高血圧で目が見えなくなる可能性はありますね』とすまして言う。この前『ちゃんと見えています』って宣言したくせに。

 この日から降圧剤の投与が始まった。錠剤を貰ったのだが頑固なマグマを押さえつけ、口を開けさせ、薬を嚥下させるなど 至難の業なので、毎回薬を粉にして餌に混ぜて与えることにした。だが味が分かるのか薬入りの餌だと食べない。 この頃からマグマの目が見えていない事を家族が認めだした。椅子に上がろうとして空振りしてずっこけたり、 壁にぶつかって方向転換したりし始めたからだ。眼が見えなくなってから日課だったお散歩に連れて行けと言わなくなったマグマ。 そして目が見えなくなってから家族以外の人間に牙を剥くようになった。病院に行く度に医者が嫌な顔をするだろうなと 気が重かった。医者が『凶暴な子ですね』と言うのだよ。飼い主に向かって・・・。たしかに凶暴で医者も危険を感じただろうが 完全に視力を失い、何処に連れて来られたのか、今から誰に触られるのか分からなければ動物じゃなくても恐怖を感じ暴れるだろう。 医者に噛み付かないように口輪を嵌めさせられる度に延命治療をするべきかどうか悩んだ。




この頃から寝てばかりで動かなくなったマグマ。食事もこんなんで良いのか?と思うほど少量しか取らない。 そして体に白髪が多くなってきた。不思議な事に黒かった毛に白い毛が沢山混じりだしたのだよね。猫でも白髪が出るのかと驚いた。
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