マグマに嫌われる
マグマが病院へ点滴に向かう生活は一週間続いた。最初の二日間はそれほどでも無かったのだが、三日目くらいからキャリーバッグを見せただけで逃げ回る事になる。マグマの手には点滴用の管がはめ込まれたままになっていて、その上に包帯を硬く巻いてあった。この包帯が嫌なようで外したがるのだが、毎日、点滴をする為には外すわけにはいかないのだ。そしてキャリーバッグ=病院= 嫌な事をされる=マダラとマグマの頭の中では結びついているようで私の顔を見ると逃げまどうマグマ。正直、これが一番こたえた。 お前の為なのだと説明しても分かるはずも無い。嫌がるマグマを無理やりキャリーバッグに詰め込んで病院に通い続けた。 今でも延命の為に治療を行って良かったのか悪かったのか悩む。一週間病院に通って血液検査の数値が少し良くなった所で 点滴を一時中断し、療法食による治療に移った。だが、この餌を食べないので非常に困った。美味しくないのだろうな。非常に高価な 餌でたしかカリカリが1キロで2000円弱。缶詰が一個200円弱もするのだが、どっちも食べない。食べないと体力が付かない ので普段与えていたカリカリと療法食を混ぜたりして誤魔化して食べさせる生活が続いた。大好きないりこ(煮干)や竹輪を 急に貰えなくなり台所に座り込んで抗議するマグマを見るのが辛かった。早死にしても本人が喜ぶ餌を与えたほうが良いのか、嫌がっても 療法食一本にするのかで母と協議するが、落ち着くのは『とにかく死なれたくない』これだけだった。今思えば飼い主のエゴだった 気がする。ごめんね、マグマ。
 病院でのマグマはもの凄かった。医者に牙を向き、咆哮を上げ、まるで手負いの獣みたいだった。どんな事があっても威嚇など見せた事が なかった大人しいマグマのこの豹変振りを見るのは辛かった。医者も診るのが嫌だったみたいで『気の荒い子ですね』と毎回言われ 連れて行くこちらも苦痛を味わう。診察の度に医者に噛み付かぬよう口に犬に付ける様な噛み付き防止の金属を被せられていたマグマ。 病院に通うようになって左の写真のように洗濯機の上の籠に上がって寝るようになった。一人になりたかったのだろうな。ごめん。

 あった事を手短に書こうと思うのだが、この辺りから書くのが苦痛で仕方ない。脈略の無い文章ですが、読んで下さってありがとう。
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