マグマ 異変
←マグマ ファンヒーターの上。歳をとって毛並みが悪くなっている。 洗っても洗っても体にフケが出て、毛に艶は無いし一日中寝てばかりだった。
猫を飼っていらっしゃる方へ。
明らかに毛の艶が無くなった時は要注意のようです。腎臓病は症状が出るのが遅いので毛艶が悪いと気がついた時は検診に行かれたほうが良いと思います。私ももっと早く気がついてあげるべきだったと後で後悔しました。

 私は高校を卒業してから一人暮らしをする事になったのだが、住むアパートは1DK で非常に狭い。なのでマグマは実家に置いていく事になった。私に一番懐いていたので後ろ髪を引かれる思いだったが マグマにとっては何でもない事だったようだ。私が居なくなってからのマグマは母上にべったりとなり、猫など嫌いだと言っていた 母上は「マグマの逝くところを看取るまでアタシは死なれんっ」と言うまでの猫好きに変身した。そして数年が経った頃・・・。
突然、私の家に母上が電話を寄こした。
『あのね、マグマが二、三日前から吐くとよっ。水のような泡のようなものをね、吐くと。 どげんしたんやろうか?吐く以外は普通どおりやけど・・・』と母上は言う。私は母上を責めた。『何でニ、三日も 放って置いたと?!すぐ電話をくれれば良いのに』と。
私は何か嫌な予感がしてその日の内に実家に向かい、すぐさまマグマをキャリーバックに詰め込み、動物病院に向かった。 普段、吐く事はあっても毛玉を吐くだけのマグマが三日も吐き続けるって何か病気なんじゃないかと怯えたのだ。 病院についてマグマの年齢を聞かれ『家に来てから16年になります。来た時は既に1歳近かったので17歳くらいです』と 返事をすると血液検査、尿検査をしますという。触診もされたが医者は『腎臓の片一方が無い』と言う。非常にびびる。 腎臓の機能が落ちて萎縮してしまう事があるのだそうだ。

そして検査結果を待つ事20分後・・・。
医者に『腎機能が悪化して体に毒素がまわり、非常に危ない状態です』と言われ愕然とする。いつまでも元気にしている筈は無いと 分かってはいたが、いきなり命が危ないと言われ呆然とし、腎臓病は悪くなる事はあっても直らないと言われ縋る思いで医者に聞いた。 『いつまで生きるのですか?』と。医者は『二、三日かもしれないし、数年後かもしれないし何時までとははっきり言えません。 点滴を打つなどの治療しか出来ないし、それでも持ち直す事はあっても生きさせようとするのなら治療はずっと続きますよ。 ただし何の治療もしなければ確実に危ないです』と答えた。とりあえず点滴を打って貰う事にするが、点滴は9時間くらい掛けて ゆっくりじゃないとダメだというのでその日は入院となった。実家に一人で帰り着き家族にマグマの病状の説明をすると 母上は出来る事をするのに異存は無いと言う。父上は無言。彼は犬猫に金を掛けて病気の治療をするなど考えられない馬鹿なのだ。 この日の治療費が二万円を超えた事は父には黙っていた。聞けば文句を言うに決まっている。
 そして翌日から私は実家に泊まり込んだ。朝、病院にマグマを連れて行き、点滴が終わる夕方迎えに行くという生活が始まった。




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