1.保護したら




 触られない猫を保護する方法は捕獲器を使うしかありません。それと、触られない猫を捕獲してまで家猫にしようという根性のある素晴らしい方は、ワタクシが書いている事など既にご存知でしょう。なので、ここに捕獲方法を書いて悪用されては困るので、詳しくは書きません。



←野良当時の(保護前)雲丹ちゃんです。最初は逃げまどっていたのですが、徐々に慣れて来ていた頃の画像です。

↑左画像は雲丹ちゃんの保護直後の写真です(生後六ヶ月くらい)。右はきなみちゃんを保護した直後です(生後一ヶ月くらい)。

 で、普通は触られる猫を保護する事が多いと思います。人馴れしている猫や逃げる事が出来ないほど小さな子猫、最悪なのは衰弱して逃げる事も出来ない猫、大体はこの3通りになると思います。で、食事についてでも触れますが、最初はやっぱり獣医に診せるのが一番大事だと思います。特に子猫の場合は一刻を争います。ミルクをあげなければ衰弱して死んでしまいます。体温を自分で維持できないので、冷えただけでも命に係わります。子猫の最初の健康診断くらいだったら医療費など微々たるものです。ケチケチして悩んでいる間に死んでしまいますので、一万円札を一枚握って即刻病院へ向かいましょう。そしてミルクの与え方等を教えて貰って下さい。まともな病院なら授乳法まで教えてくれます。(ただし、病気をしている場合や既に衰弱している場合はもっと医療費が掛かります)  どんなに馴れている猫でも知らない場所へ連れて行かれれば怯えてパニックを起こします。なのでダンボールのような物に入れるのは危険です。ダンボールの梱包くらい必死になれば壊してしまいます。3千円前後出せば、キャリーバックが売っています。買いましょう♪。
 私の場合は今まで猫を四匹拾って来て、病院へ行く度、医者に『自分で責任を持って飼います。飼えない場合は里親を探します』と先に宣言してから治療を行って貰いました。なぜかと言うと、猫を拾ったと医者に言うと医者が逃げ腰になる場合が多いのですよね。動物病院に、拾った犬猫を押し付けて逃げる方が多いのが、その逃げ腰の原因のようです。医者に手を抜かせない為にも責任は自分が持つのだとはっきり宣言した方が良いようです。
 最初に掛かりそうな費用をざっと記します。病院によって価格はまちまちですので、行こうと思われる病院へ、価格を問い合わせてから決められると良いかもです。価格を教えてくれないような病院は避けた方が無難な気がします。

我が家の場合

初診料=1000円
検便費用=1700円
皮膚検査(ダニ検査)=1440円
(↑耳や顔や眉の辺りを異様に痒がる場合はヒゼンダニ(疥癬)の可能性が高いです)
駆虫薬(お腹に虫がいた場合)=1000円
蚤駆除薬=1200円前後。(記憶が朧ですみません)。
白血病&エイズの検査費(FIV抗体検査)=4800円

*検便について・・・
 野良猫、捨て猫の場合はお腹に虫がいることが多いです。必ず、新鮮な(?)ウンチを持参して病院へ行って下さい。10分程度で虫がいるか、いないかが分かります。ただし、ノミが媒介する寄生虫だけは検便では分かりません。ですが、この寄生虫は猫のお尻をよく観察していたらすぐに発見できます。おしりに米粒より小さいサイズのうにょうにょ動く虫がついていた場合は、医師に『お尻から虫が出てきた』と申告して下さい。

*ノミ駆除薬について・・・
 スーパーなどで市販されているスポットタイプのノミ駆除薬ははっきり言って効きません。特にハーブ系で優しいと謳われているノミ取りは全く効かない気がします。蚤が1〜2匹いるくらいなら効果もあるのでしょうが、野良猫で体中にノミがいるような場合は病院でしか売っていないノミ取り薬(スポットタイプか飲み薬)を使われた方が早いです。副作用の心配をされる方もいらっしゃるでしょうが、完全室内飼いをするなら、そんなに連続して使うものでは無いのだし、最初にきちんと駆除したほうが良いと思います。第一、認可されて売られているという事は医師の処方の通りに使っていれば、そんなに心配することはないのでは?と思います。副作用よりも、蚤のかゆみやノミが媒介する寄生虫などの方が猫にとっては辛いでしょう。
もし、触られない猫でも蚤駆除は出来ます。飲み薬があるんですよね。これを缶詰の餌に混ぜて与えます。
それとノミとり首輪について。これ!非常に危険です!。我が家も売られ始めた頃に一度、マグマに付けた事があったのですよね。(彼女は完全室内飼いだったのですが、お隣の猫が放し飼いで、その猫のノミを貰った事があった)そしたら、その蚤とり首輪を付けて数分後に泡を吐いて倒れました!。慌てて医者に連れて行ったら『蚤とり首輪を噛み、薬剤で中毒を起こしたのでしょう』と言われました。最初から医者に連れて行けば良かったのに、変なトコでケチったばかりに可哀想な目に遭わせてしまいました。反省・・・。

*FIV抗体検査について・・・
 猫エイズと猫白血病に罹っているかどうかを調べる血液検査があるのですが、この検査は保護して二週間〜一月後で良いと思います。保護してすぐ、検査をしても検査結果に出ない事があるのです。子猫の場合、小さい頃に検査結果が陽性とでたとしても、その後陰転する事があります(陰性に変わる事)。なので、子猫を検査する場合は、生後半年くらいで良いんじゃないかな。
 既に先住猫がいる家庭の場合は上記の病気以外にも感染する病気やダニがありますので、お互いが喧嘩で怪我をしないため&病気やノミダニの感染を防ぐために隔離された方が良いと思います。ただし、猫エイズも白血病も怖い病気じゃ無いです。エイズなら寿命をまっとう出来る猫も沢山いますし、白血病なら同居予定の子に白血病ワクチンを打てば良いので、病気自体を恐れる事は無いと私は思っています。
私の場合は、二度目の受診の時に感染症の検査とワクチン接種をしています。

↑左はマグマの術後の画像。右はきなみちゃんの術後です。

後に掛かる費用

避妊手術(♀の場合)避妊費用15000円+痛み止めの薬1040円+初診料1000円。(この病院では手術当日に一泊)
去勢手術(♂の場合)去勢費用9600円+痛み止めの薬1040円+初診料1000円。(日帰り手術)

*自治体によっては猫の避妊去勢費用の一部を助成してくれる事もあります。役所に聞いてみましょう。
注意・・・メス猫の場合は早ければ生後半年くらいで妊娠している事があります。初期は見た目で分かりません。一匹保護したつもりがお腹の中には子供が沢山・・・なんて事がありますので、メスの場合は早急に避妊手術を行いましょう。妊娠していても避妊手術は可能です。オスの去勢も必須です。オス猫は去勢しなければ、スプレーという行動を始めます。スプレーとは縄張りを示すためにおしっこを撒き散らす事なのですが、これが臭いのですよね。去勢した子の殆どはこのスプレーをしなくなります。お互いが幸せに暮らす為にはオスメス共に避妊去勢するのが最良だと思います。

ワクチン接種(三種ワクチン)=6400円
(↑3種ワクチン、白血病ワクチン、4種ワクチン、7種ワクチンといったように何種類もあります。医者と相談して決めましょう)
*ワクチンは完全室内飼いをする場合でも必須です。人間が外に出て、菌を家に持ち込む可能性があります。網戸越しに病気を持った猫と接触し、感染する事もありえます。病院へ治療に行き、菌を貰う可能性もあります。ワクチンを打ってさえいれば、感染したとしても軽くて済みます。病気に罹ってからの治療費の事を考えると、ワクチン代など微々たるものです。

↑いつもノーテンキなきなみちゃん

下痢をしている等で病気の疑いがある場合の治療費

↓我が家のきなみちゃんが下痢をした時に掛かった費用を書きますね。
診察料1200円
血液検査3200円
(↑この血液検査は普通は下痢くらいではしません。が、きなみちゃんは保護してから一度も血液検査をした事が無かったので、ついでにやりました。腎臓や肝臓が大丈夫なのか知りたかったのです)
検便代1360円
皮下注射2320円
内服薬1192円
消費税464円

合計 9736円



 自分で飼うにしろ、里子に出すにしろ、一匹で最低でも3〜4万円はお金が掛かります。覚悟して下さいね。外食を数回止めるだけ、無駄な物を買わないだけで一匹の命が救えると思えば安いものです。

それと部屋数にゆとりがある場合や先住猫がいる場合はこういうケージを用意されると良いと思います。
餌入れなどは、わざわざ買う必要はありません。プラスチックの餌入れは小傷が付いて、そこに菌が付いて不衛生です。人間が使う陶器のお皿で十分です。





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