書籍の色々図鑑?!
普段、何気なく本好きの間で使っている言葉が本を読まれない方には全く通じていない事に気が付き、勝手に解説してみました。 独断と偏見 書籍の色々図鑑?!です

画像呼称
ハードカバー(単行本)画像 ハードカバー
(単行本)
単行本とも呼ばれる(四六版が多い)。硬くて厚い表紙を用いた装丁に凝った本の事。普通はハードカバーで上梓し、その後に文庫落ちする。 活字は二段組が主流。たまに三段組という恐ろしい本も存在する(例・船戸与一著 砂のクロニクル)。薄い本の場合は一段組みとなる。
ソフトカバー(単行本)画像 ソフトカバー
(単行本)
単行本とも呼ばれる。ハードカバーとの差は装丁。表紙もカバーもあるのだが柔らかい表紙を使っている。欧米で主流のペーパーバックと日本のハードカバーの中間のような装丁。活字は二段組が主流(というか二段組しか見た事が無い)。
早川ポケットブック 画像 早川ポケット ブック
(H・P・B)
早川書房が出している翻訳ミステリー専門で18.4×10.6センチ の本。ただし日本の戦前の作家などの著作も あり。101番〜200番までは江戸川乱歩氏が選んだもの。001番〜100番までが空白なのは江戸川乱歩氏の監修で 洋物ミステリのベスト100選みたいなものを出版する予定だったから。未だに空き番のままになっている。活字は二段組。
ノベルス 写真 ノベルス
(新書版)
新書版とも呼ばれる。ハードカバーにしても売れそうにない、かといっていきなり文庫書下ろしは勿体無いのか 軽いミステリなどはこのタイプで上梓される事が多い。中途半端な装丁とサイズの本。活字は二段組が主流。 講談社、角川、カッパ(光文社)が多い。
文庫 写真 文庫 ハードカバーやノベルスで上梓した後、大抵二、三年で文庫になる。『文庫落ち』と呼ぶ。ハードカバーと 文庫の版権は別物らしく、ハードと文庫では版元が違う事も多い。余談・・・日本で最初の文庫本登場は昭和二年、岩波文庫だそうな。 現在、流通している文庫の基になっているのは1950年に登場した角川文庫。
ペーパーバック 写真 ペーパーバック
(PAPER BACK)
紙の表紙を付けただけの簡略な装丁の本。日本の漫画雑誌のように安い紙が使われている。 第二次世界大戦後、世界中に爆発的に普及した。日本でいう文庫本みたいな普及本。欧米の場合はハードカバーとペーパーバックが 同時に出る事が多いようだが読み手の好みで購入しているのだろうか。ちなみに欧米ではハード、ペーパーバック以外にカセットや CD(朗読)でも売り出される事があるので、耳で聴く事も出来る。カセットはハードカバーと同等の価格くらい。

パルプ・マガジンの表紙
パルプ・マガジン(Pulp Magazine)とは・・・ざら紙に刷られた大衆小説雑誌の事(低級、低俗だと見られていたらしい)。第二次世界大戦後はペーパーバックが世界的に普及するのですが、それ以前に発行されていた雑誌で、ジャンルは探偵小説、ヒーロー物、ホラー、SF、西部小説(ウエスタン)と幅広かったそうな。ダシールハメット、ガードナー、およびレイモンド・チャンドラー等の作品が掲載されていた。