殴られてもブルース破れかぶれでステージ

スティーブン・ウォマック 作家紹介&作品紹介
作家名 スティーブン・ウォマック(Steven Womack)
生年月日 不明
生誕地  アメリカ
処女作  Murphy’Fault
デビュー年 1990年
公式サイト http://www.womackbooks.com/


作家紹介


本国アメリカでは結構人気のあるコージー ミステリーの書き手なのだが、日本ではさっぱり人気がない地味な作家。 他に映画の脚本の執筆もされるらしい。ワトキンス フィルム学校(映画の学校?)で教授職に就いておられるそうな。
脱サラ探偵ハリーシリーズ第一作『殴られてもブルース』でMWAペーパーバック最優秀賞を受賞している。これ以降も PWA最優秀ペーパーバック賞を受賞、アンソニー賞最優秀ペーパーバック賞の候補作となり本国では順調に作家活動をされている。 このシリーズは日本で三作だけ早川ミステリから上梓されている。本国では三作目以降も発表されているのだが、売れなかった所為か 早川は翻訳を打ち切ったようだ。南無で御座る・・・。ちなみに二作目の『火事場でブギ』と三作目の『破れかぶれでステージ』は 既に絶版。第一作目は辛うじて入手可能(2004年春現在)だが時間の問題だろう。
(日本では不思議とコージー ミステリーの評価が低い気がする。何ででしょうね?)


殴られてもブルース 早川ミステリ文庫 初版1995年 3月
あらすじ 私はハリー・デントン、ナッシュヴィルの探偵だ。ただし金と女に運がなく、実態はローン不払い車のとりたて屋。 ある日、昔の恋人が、夫の外科医が脅迫されていると泣きついてきた。二つ返事で調査を引き受けた私は、患者を装い 病院に潜り込んだが、いきなり当の外科医の死体を発見、なんと殺人の容疑者に。情は厚いが財布は薄い、 脱サラ探偵初登場。アメリカ探偵作家クラブ最優秀ペイパーバック賞に輝くシリーズ第一弾。

 
感想  新聞記者を辞めた主人公ハリーがいきなり探偵の免許を取得。 お人好しで、頼まれたらイヤと言えないハリーは昔の恋人が持ち込んだ事件に巻き込まれてしまい・・・というコージーミステリーです。 ストーリーは大した事はありませんし本格推理小説ファンには物足りないでしょうが、なんというか 楽に読める&笑えるミステリーです。探偵が主人公といえばハードボイルド。ハードボイルドといえば探偵がぼやくのが常ですが、 この主人公ハリーも常にぼやいています。色んな所でボコボコに殴られその度にぼやいている出来の悪い探偵なのですが、 何故か不思議と好印象でした。このぼやきが楽しいのですが日本では全く受けなかったらしいです・・・。脇役でロニーという 面白い人物が登場します。このロニーとハリーの凸凹コンビが良い感じでした。 (硬い込み入った物語を読むと疲れますが、そんな時に手にしたくなる本です。ミステリー小説なんて娯楽、楽しむためにあるのだから、 この作品の様にドタバタした探偵物もタマには読みたくなります)



破れかぶれでステージ
Way Past Dead
早川ミステリ文庫 初版2000年 3月
あらすじ 死体保管所、カルト教団に占拠さる!―ニュースを聞いて私は愕然とした。恋人マーシャの勤務先ではないか。 案の条、教団に捕らえられた人質の中に彼女がいることが判明。すぐにも彼女を救出したいのはやまやまだが、当面、 自分の出る幕ではない。ちょうどそこへ、女性カントリー歌手が殺される事件が起き、私は恋人を案じながらも調査に乗り出すはめに …探偵ハリーの八方やぶれの奮闘を描くコージー ミステリー。

 
感想 第二作を読んでいないので分らないのですが前作で彼女が出来たのでしょうか?。本作ではハリーの彼女が 登場します。貧乏は相変わらず、お人好しも相変わらずのハリーは、隣人が殺人事件に巻き込まれ拘置所に収監されてしまったのを 救うべく事件に首を突っ込んでいきます。今度の事件は音楽業界(カントリー ソング)絡みです。ストーリーはシリーズ第一作よりは 入り組んではいます。一作目に登場したハリーの隣人や友人ロニーも登場します。カントリー業界とハリーの彼女を人質に取っている カルト宗教団体が絡み合い物語りは進んで行きます。今回も軽い内容で楽に読めました。

ぼやき・・・早川書房はいつもなのだが、一旦出したシリーズ本が売れなければ本国では続いていようが日本での販売、翻訳を中止する。 面白かろうと普通だろうと一旦読み始めたシリーズを途中で打ち切られるのは非常に腹が立つ。最後まで責任を持って出せないのなら シリーズ物の版権を買うなよっ。この文庫は早川ミステリ文庫から出ているが内容的には早川ミステリアスプレス文庫向けだと 思うのだがな。あっちで出した方が買い手が多かったんじゃないだろうか。まぁ、何か理由があるのだろうが。 (ミステリアスプレス文庫はペーパーバックの翻訳が多いのでコージー ミステリーファン向け)

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