死刑判決


スコット・トゥロー(SCOTT TUROW)作家略歴&著作の感想
作家名 スコット・トゥロー(SCOTT TUROW)
生年月日 1949年
生誕地  シカゴ
処女作  『推定無罪』
デビュー年 1987年
公式サイト http://www.scottturow.com/

作家略歴

スコット・トゥローは1949年生まれ。シカゴ連邦検察局に検事補として在職中に発表した『推定無罪』は、完璧なプロット、重厚な人物造型で瞠目され、CWA賞を受賞、世界的ベストセラーに。リーガル・サスペンスの先駆者。
公式サイトに詳しい記述があります。

死刑判決
(Reversible Errors)
講談社文庫上下巻 初版2004年10月15日
あらすじ  10年前の判決は冤罪だったのか?。死刑執行まで1ヵ月、弁護人アーサーの前に現れた真犯人と名乗る男。レストランで3人が惨殺され、冷凍庫詰めにされた10年前の事件は振り出しに戻った。麻薬にはまり収賄罪で逮捕された美貌の元判事、野心家の辣腕(らつわん)女検察官、一匹狼の刑事。時を経て、再び交錯する人生。

 
感想  実は・・・白状しますとトゥロー氏の作品は『推定無罪』しか読んだ事がなかったんですよね(汗。ワタクシはトゥロー氏よりもR・N・パタースン氏の描くリーガル物が好みなので、トゥロー作品を何となく避けてきたのですが、良質の法廷物を読みたくて本作を選んだのでした(笑)。で〜感想ですが。
この『死刑判決』、面白いのですが・・・法廷物の醍醐味である法廷シーンが少ないのですよね(笑)。なんせ、既に裁判は終わり、死刑執行を間近に控えた死刑囚が、今までの裁判中に数多く行ってきた自白を撤回し『おれは無実だ。再審を』と叫び出してからの物語なんですよね。で、現在と過去とが交互に読者の前で進んで行き、結末へと向かうという構成なんですよね。内容はというと、死刑囚が再審をと叫びだすのと時を同じくして『俺が真犯人だ』と言い出す男が現れ、1審判決を無効に出来るかどうかを争う〜といった展開です。リーガル物というよりは、トゥロー氏が法廷シーン以外でも力があるんだぞと読者に示した(?)作品だといえるのかもしれません。ストーリーも展開も人物造形も巧いなと言わざるをえない出来なんですが〜好き嫌いで聞かれたら返答に困る作品でした。なぜかというと・・・多分、きっと、トゥロー氏は死刑廃止論者なんじゃなかろうか?というのが字面から伝わってくるんですよね。で、読者であるワタクシはというと死刑やむなしだと思っているので、その思想の差が作品の感想に出るのかもしれません。



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