アリバイのA

スー・グラフトン(SUE・GRAFTON)作家紹介&作品紹介
作家名 スー・グラフトン(SUE・GRAFTON)  
生年月日 1941年
生誕地  アメリカ ケンタッキー州  
処女作  アリバイのA
デビュー年 1982年
公式サイト http://www.suegrafton.com/index.htm


作家紹介

 熱狂的なファンが、多い作家です。
著作は26の言語に翻訳され、世界中で売られています。ご主人と三人の子供とお孫さんも二人の良きおばぁちゃん(?)。
本人は「クリスティーみたいになりたい」のだそうです。(作風は大分違う)代表作は女探偵「キンジー・シリーズ」。
何となく書いた「アリバイのA」が、世界中で大人気となり、前職の脚本家を辞めて作家に専念しているそうです。脚本家よりも作家の方が名誉があるらしい・・・。(公式サイトに詳しく書いてあります)
パレッキーとともに、(ミステリ界での)女性探偵の地位を向上させた功労者でもあります。パレッキーのヴィクシリーズと共通項が多い。(主人公が離婚歴のあることや、隣人におもしろいおじさん(じぃさん)がいる。で、主人公がタフ)
女性が主人公の作品が苦手、もしくは、ヒステリックに泣きわめくような女は嫌い という方にお薦めしたいシリーズです。(MWA賞やアンソニー賞の受賞作多数)
キンジーシリーズは、全て早川書房から出ています。「泥棒のB」「死体のC」という風にアルファベット順になっているので、探し易い、親切な題名です。(Zまで書いた後は、どうするんだろう?)現在、Pまで出ています。(文庫はNまで)


アリバイのA 早川文庫 初版:1987年3月31日
あらすじ オフィスに現れたのは、殺人罪での服役を終え、仮出所中の女だった。彼女は有能な”離婚弁護士” の夫を殺害した罪で有罪となったのだが、身の潔白をなんとしても証明したいというのだ。 興味を覚え事件の洗い直しを始めた私立探偵キンジー・ミルホーンは、意外な事実に気が付いた。 殺された弁護士の会社と取引のあった女会計士が、同時期に同じ毒薬で死亡していたのだ。

 
感想 今では当たり前になった”等身大の女探偵キンジー”。古典ミステリに登場する女探偵像は決まって 美形・スタイル良し・女らしい・お色気ムンムン だった。「けっ!!こんな女いないよ!!」と いつも思っていた所に現れたその辺にいそうな主人公は、とっても新鮮に映りました。 特別の才能も無くコツコツと調査していく主人公が、犯人を捜すという古典的探偵物です。描写の 巧さ、登場人物の魅力がこの作家の持ち味だと思います。元脚本家だけあってカメラアングルを 考えたかのような章割りが、印象的でした。(スピード感が増すような気がした・・・) この作品は、チョットだけ恋愛シーンもあります。(この作品以外にあった記憶が無い)シリーズ 第一作目なのでサービスだったのでしょうか?  最後、ちょっとだけ意外な展開を迎えます。こんな終わり方好きなんだよねぇ。