スザンヌ・チェイズン(Suzanne Chazin)作家略歴&著作の感想 |
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作家名 | スザンヌ・チェイズン(Suzanne Chazin) |
生年月日 | ???年(2005年3月15日の時点で39歳) |
生誕地 | アメリカ ニューヨーク |
処女作 | 『火災捜査官(THE FOURTH ANGEL)』 |
デビュー年 | 2001年 |
公式サイト | サイトをお持ちでは無いけれど 『Putnam Publishing Group, 375 Hudson Street, New York, NY 10014』 宛で郵便物が届くそうです(版元のアドレスです)。 |
火災捜査官 (THE FOURTH ANGEL) |
二見書房 文庫 | 初版2003年11月25日 |
あらすじ | マンハッタンで54名もの死者を出したビル火災。現場に急行したFDNY(ニューヨーク市消防局)の火災捜査官ジョージア・スキーアンは、摂氏1600度にも及ぶ超高熱火災『HTA(高温助熱剤)』の形跡に愕然とする。前後して聖書の”第四の天使”を名乗る人物から当局に謎めいた手紙が届き、過去数ヶ月同様の火災が起きていた事が発覚。ジョージアは連続放火説を主張するが、上層部の頑なな否定にあう。そんな中、FDNY全体を揺るがすさらなる悲劇が・・・。
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感想 | 消防士として7年務めた主人公ジョージア・スキーアンは火災捜査官に昇格したが、男ばかりの職場で悪戦苦闘していた。50名以上の死者が出たマンハッタンのビル火災に出動したスキーアンは、パートナーであるベテラン捜査官カーターから放火に間違いない事を知らされる。そして、ジョージアは友人である科学捜査研究所の法化学専門官フランクルから連続放火の可能性がある事を指摘される。この四ヶ月の間に無人のアパートや倉庫で三件の火災があり、それと前後して第4の天使と名乗る人物から予告状が送りつけられていたというのだ。この四件の火災は、使われた可燃性混合物(助熱剤)の特徴も一緒、予告状まで一緒という連続放火の可能性が高いにも関わらず上層部はそれを認めようとはしない。そうこうする内に同様の火災が起こり、ジョージアは捜査主任に任命され・・・というストーリーです。 『聖書を引用した予告状だなんて使い古された手だなぁ』とか『男の牙城で一人奮闘するヒロインだなんて目新しくないなぁ』と突っ込みどころもありますが、十二分に愉しめました。何たって導入部が良いですね。スピード感があります。冒頭からこれだけ入り込んで読める作品って久々でした。プロットはそう目新しいものでは無いけれど、人物造詣が良い事と、テンポが良い事であっという間に読了です。ジェフリー ディーヴァーのファンの方にお勧めです。 |
欺く炎 (FLASHOVER) |
二見書房 文庫 | 初版2004年8月25日 |
あらすじ | 猛暑のニューヨーク、二人の医師が相次ぎ謎の焼死を遂げた。被害者はともに消防士の障害年金を審査するかつての担当医。ほどなく市に届いたパイプラインの爆破予告と二つの事件のあいだに何らかの繋がりがあることが判明する。ジョージアは親友であるNYDPの刑事コニーが大量の血痕を残して失踪。さらに彼女の部屋で返り血を浴び逮捕されたのは予想外の人物だった!<女性火災捜査官ジョージア・スキーアン>シリーズ第二弾。
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感想 | この作家は巧いですね。ストーリーはたいした事が無いんだけど(失礼)何故か楽しめる。不思議です。 二人の医師が謎の焼死を遂げるところから物語りは始まります。前作同様、普通の火事じゃないと疑念を持つ主人公ジョージア・スキーアンですが、事件はジョージアの手を離れNYPDの管轄となる。情報を得ようと親友のコニーに探りを入れると、ニューヨークの地下を流れているジェット燃料のパイプラインに爆発物を仕掛けるという脅迫状が届いていることを知る・・・というストーリーです。男社会の中で必死に頑張っているジョージアが権力に押し潰されそうになりながら、奮闘するという物語です。 冒頭で読者をdirectionする箇所があるのですよね(笑)。下手に誘導されたから、犯人が途中で分かってしまったんですよね。これが無い方が犯人が分かりづらくて面白かったかもです。前作でも似たような手法を採っていたし、次回作でもこの手を使うのかが気になります。 ![]() ![]() |