壊れた海辺


ピーター・テンプル(PETER TEMPLE)作家略歴&著作の感想
作家名 ピーター・テンプル(PETER TEMPLE)
生年月日 1946年
生誕地  南アフリカ
処女作  Bad Debts (1996)
デビュー年 1996年
公式サイト

作家略歴

 1946年、南アフリカ生まれ。後にオーストラリアに移住。新聞や雑誌の記者・編集者として活動後、作家としてデビュー。処女作でネッド・ケリー賞新人賞(オーストラリア推理作家協会賞)を受賞。以後8作の長篇を発表。都合5度、ネッド・ケリー賞を受賞し、オーストラリア・ミステリ界の第一人者となる。『壊れた海辺』で、英国推理作家協会(CWA)最優秀長篇賞を受賞、世界各国でも評価が高まっている 。(←著作表紙の略歴なので、詳しいことが分かった時点で更新します)

壊れた海辺
(THE BROKEN SHORE)
ランダムハウス講談社文庫 初版2008年10月10日
あらすじ  捜査ミスから同僚を死なせ、心身ともに傷を負ったキャシン刑事は故郷の海辺の町に戻り、小さな警察署で働き始めた。そんな折り、隣町で篤志家として知られる老人が殺害され、彼は捜査に駆り出される。高価な時計を売りにきたアボリジニの若者たちに容疑がかかり、彼らを追い詰めた警察は2名を射殺、1名を逮捕、事は落着に見えたが、キャシンは納得しなかった。単独捜査を続けるキャシンのまえに、やがて驚くべき真相が。

 
感想  単純にいうと老人を殺したのは誰か?というミステリなんですが、全体像を見ると社会派ミステリです。オーストラリアというのは人口の四分の一が移住者だという他民族国家だそうなんだけどね、白人が入植してくる以前からその地に住んでいる先住民族アボリジニと、根強い差別意識を持つ一部白人住民との軋轢はさまざまな問題を生むようで、物語でも頻繁に人種に絡む問題が描かれています。でもって〜実は事件の後ろには環境問題やなんかも隠れていて、読んでいてオーストラリアについて抱いていた印象が変わるほどお勉強になりました(笑)。で・・・ワタクシにしては大変短いんだけど、ここで感想を終わります。というのもね。↑の版元が表紙に書いている粗筋ですが、書き過ぎです。物語のかなり佳境の部分まで書かれちゃっているので、なかばネタバレされた作品を読まされたような気がします。この作品の総ページ数は550ページ程度なんだけど↑の粗筋で150ページ分もバラされているんだよね。200円くらい返して欲しい気分です。なかなか良い出来の作品だっただけに残念です。



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