屍肉

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フィリップ・カー 作家略歴&作品紹介
作家名 フィリップ・カー(Philip Kerr)
生年月日 1956年
生誕地 
処女作  偽りの街
デビュー年 1989年

作家略歴

イギリスのエジンバラ生まれ。バーミンガム大学で法律を学ぶ。89年「偽りの街」でデビュー。著書に「砕かれた夜」「エサウ」など。描くジャンルはCrime&Thrillerが中心のようです。

管理人追記・・・まだ一冊しか著作を読んでいないので紹介文は後日、書き足します。

屍肉
(DEAD MEAT)
新潮社文庫 初版1994年11月 1日
あらすじ  サンクトペテルベルク(旧レニングラード)。モスクワ中央内務局調査部の中佐である主人公『わたし』はかつてロシア革命の英雄の名を冠されていたこの街へ派遣された。刑事とマフィアとの黒い癒着を探る密命を帯びていた彼だが、大物ジャーナリスト殺しに巻き込まれてゆく。跳梁するマフィア、破綻すれすれの経済。ポスト・ペレストロイカの現代ロシアを舞台に描く警察小説。

 
感想  この本は何の前知識も無く読んだので、最初はロシア人が書いているのだと思いました(笑)。それくらい真に迫っているのですよね。(作者の名は英名なのにね)
 舞台は旧レニングラード。ここで起こるジャーナリスト殺しに『わたし』が巻き込まれ、その犯人を捜すサンクトペテルブルクの刑事部大佐グルーシコとその部下が描かれています。ジャーナリストはマフィアに殺されたように見えるのですが、破綻寸前のロシア経済のお陰で調査は難航を極めます。この経済や人種(チェチェン人、グルジア人等の旧ソヴィエト連邦南部の各共和国の出身者たち)の描写が楽しめました。ミステリやハードボイルドと言うよりは社会派という雰囲気でしょうか。ストーリーは面白いのですが「結末が人種問題に結びついたら普通だな」と危惧していたらその心配は無駄でした。結末はロシアの現状と経済が結びついたもので巧いなぁと感心です。内容の割には読後感も良かったしね。そしてこの『屍肉』という題は結末を読めば意味が分かります。この作家の本をはじめて読んだのですがストーリーテラーだなぁという印象を受けました。(某Pさん、ありがとう♪)

追記・・・ロシアが舞台って読み易いですね。英名は名前とニックネームが出てくるので覚えるのが大変だけど、ロシア名は似通った名前が無いので覚えやすい。出てくるロシア名はグルーシコ&ニコライ&サーシャですよ!。覚えやすくて◎。



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