1/2の埋葬/会員制殺人サイト


ピーター・ジェイムズ(PETER JAMES)作家略歴&著作の感想
作家名 ピーター・ジェイムズ(PETER JAMES)
生年月日 1949年
生誕地  イギリス(Brighton, Sussex, England )
処女作  ???
デビュー年 ???年
公式サイト http://www.peterjames.com/

作家略歴

1949年、イギリスのサセックス州ブライトンに生まれる。脚本家、映画プロデューサーの顔も持ち、その著書の多くは世界各国語に翻訳されベストセラーになっている。『1/2の埋葬』はイギリスで発表されるや、2ヵ月もの間ベストセラーリスト入りし、フランス、ドイツでもトップ10入りを果たした。また、フランスではPrix Coeur NoirとLe Prix Polar InternationalをW受賞。2005年には、米PW誌が選ぶ「アメリカで新たに有名になった推理作家5人」にも選出された。

著作リスト(著作がかなり多いようなので分かる範囲で)
ロイ・グレイス警視シリーズ(Detective Superintendent Roy Grace)
1. Dead Simple (2005)『1/2の埋葬』
2. Looking Good Dead (2006)『会員制殺人サイト』
3. Not Dead Enough (2007)
4. Dead Man's Footsteps (2008)
5. Dead Tomorrow (2009)

Bigglesシリーズ
1.The Untold Story (1986)

TechnoTerrorsシリーズ
1. Getting Wired (1996)

単発物(シリーズ外作品)
Dead Letter Drop (1981)
Atom Bomb Angel (1982)
Billionaire (1983)
Traveling Man (1984)
Down Under (1985)
Possession (1988)『ポゼッション(角川ホラー文庫1993年)』
Dreamer (1989)『ドリーマー(角川ホラー文庫1993年)』
Sweet Heart (1990)
Twilight (1991)
Prophecy (1992)
Host (1993)『ホスト(角川ホラー文庫上下巻1999年)』
Ancient Inventions (1994)
Prophesy (1994)
Alchemist (1995)
The Truth (1997)
Denial (1998)
Faith (2000)

1/2の埋葬
(Dead Simple)
ランダムハウス講談社文庫 初版2008年1月7日
あらすじ  結婚前夜。新郎マイケルを祝うために悪友たちが仕掛けた悪戯―それは酔った新郎を棺桶にいれて生き埋めにし、数時間後に掘りだすという、他愛もない計画だった。だが、埋めた直後に仕掛け人全員が事故死。ほんの悪ふざけのはずが、最悪の事態にまで発展し…。目撃者ゼロ。当事者全員死亡。絶対的不利な状況下で、孤独な中年警視グレイスがマイケルの救出に乗り出す・・・。

 
感想  主人公の警視が大変に魅力的な人物で、彼の出る作品をもう一度読みたいなと思わせる作品です。が、上巻を読んでいてミステリというよりはホラーを読んでいる気分でして(笑)。というのも、物語の内容はというと・・・なんてったって怖いわけですよ!。マイケルという結婚を間近に控えた男が、悪友から棺桶に入れられ地中に埋められるんですよね。で、親友たちは数時間後にマイケルを掘り出す予定だったんだけど〜彼ら四人全員が事故死してしまうわけです。証拠はなし、目撃者もなし。ほんの冗談だったはずなのに生き埋めでしんじゃうってな大事件になってしまうわけです。マイケルの命は棺桶に入れられていたトランシーバー一つに掛かってしまうんだけど。死んだ4人が持っていたトランシーバーは、ひょんなことから知的障がいを持った青年に拾われてしまい〜という展開でして、まぁそれはそれは恐ろしいんですよ(笑)。たぶん、ワタクシが閉所暗所恐怖症なので心臓をギュギュギュッと掴まれた様な気分になったんだとは思うんだけど〜それにしても作者の巧さを感じました。それと、読者にはかなり早い段階で悪人が誰なのか分かってしまうので、ミステリというよりはノワール、悪漢小説といった展開なのですが、どうしてもホラーを読んでいるような不思議な感じを味わいます。作者は元はホラーを書いていたそうなので、そのせいかもしれません。主人公が魅力的だし脇もしっかり描かれているので、謎解き以外の部分もしっかりしてないとねーって方にお勧めの作品です。 作家名INDEXホームへ戻る



会員制殺人サイト
(Looking Good Dead)
ランダムハウス講談社文庫 初版2008年12月10日
あらすじ  ある日の通勤電車で、トムは偶然CDの忘れ物を拾った。落とし主の手がかりを求め、自宅のパソコンで開いてみると、画面は監視カメラで覗いているような粒子の粗い画像を映しだした。場所はどこかのベッドルーム。黒いドレスの若い女性が、誰かを待っている。と、背後から覆面の男が短剣を振りかざし、女性を刺し殺した―これは映画の予告か何かなのか?それとも…。“警視グレイス”シリーズ第2弾。

 
感想  前作よりもオカルト臭が減って、スリラー味が増しているにもかかわらず、なぜかホラーな雰囲気が漂う不思議なミステリです。内容はというと・・・。
トムは電車内で偶然拾ったCDを自宅に持ち帰り何の気なしに開いてみたのだが、そこには若い女性が惨殺されるシーンが写っていた。会員制殺人サイトを覗いてしまったトムは、犯罪組織に自宅を知られてしまい脅迫が始まる・・・という至ってシンプルな物語です。ミステリとしてみるなら突込みどころは多いのですが、不思議と読み易いというか。たぶん〜登場人物が好いので読めるんだと思います。主人公のロイ・グレイスは好ましい人物だし、彼の周りの同僚たちもそれぞれが妙に人間臭くて好いんですよね〜。訳がちょっと気になるんですが(言い回しがしっくり来ない文章が多い。慣れるまで2百ページほど掛かった(汗))おっかしな文章だなーって気持ちに目を瞑れるくらい主人公が良いです。



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