アンナ・ピジョン シリーズ 山猫/山火事

本のコーナー入り口ホームへ戻る




ネヴァダ・バー(Nevada Barr)作家略歴&著作の感想
作家名 ネヴァダ・バー(Nevada Barr)
生年月日 19??年
生誕地  ネヴァダ州
処女作  TRACK OF THE CAT(山猫)
デビュー年 1993年
公式サイト http://www.nevadabarr.com/

作家略歴

 ネヴァダ・バーはネヴァダの西にある小さな町で生まれた。両親は飛行機のパイロット&整備士。ネヴァダ・バーの姉妹(モリー)は両親の後を継ぎ、USAirのパイロット。
 アンナ・ピジョン シリーズを執筆する前はレストランの評論家をやったり紀行本などを著していたらしい。(詳しい事はオフィシャルサイトをご覧下さい)最初の小説は1983年に書いた『Bitterweet(未訳)』。その後、環境保護運動に関心を持つようになり、国立公園で働き始める。最初にPark Rangerの職に就いたのはミシガンのIsle Royale National Parkで、ボートに乗って公園内をパトロールするのに夢中になったとの事。そして女性パークレンジャー アンナ・ピジョンを主人公にした『TRACK OF THE CAT(山猫)』を1993年に発表し、その年のアガサ賞&アンソニー賞を受賞する。本国では13作品を上梓しているが日本で邦訳されているのは7作品のみ。最初の『山猫』のみ福武書店から出版されているが、残りは全て小学館から出ている。(『女神の島の死』『闇へ降りる』『絶滅危惧種 』『山火事』『極上の死』『死を運ぶ風』)
現在はクリントン(Clinton MS ミシシッピ州らしい)に在住。

管理人注・・・処女作でありシリーズの第一作目である『山猫』は売れなかったようで(版元も地味だし・・・)入手が困難です。



山猫
(TRACK OF THE CAT)
福武書店 ソフトカバー 初版1994年5月6日
あらすじ  テキサス州の高地砂漠地帯にあるグアダルーペ山脈国立公園。初夏のある日、女性レンジャーのシェイラ・ドゥルアリーが悲惨な遺体となって発見された。発見者はピューマの生体調査をしていた同僚のアンナ・ピジョン。遺体には動物の噛み跡と爪跡が、現場周辺地面には大型獣の足跡が残されていた。警察と公園管理局はピューマの仕業と断定し、狩猟チームを編成した。だが、アンナは不自然な足跡に疑問を抱き、犯人はピューマではないと主張する。独自に捜査をするアンナは何者かに命を狙われる・・・。アンナ・ピジョン シリーズ第一作

 
感想  ジャンルはミステリだけど、どちらかというと冒険小説っぽいかな。犯人は誰かという事よりも、国立公園内の生き物や自然の描写でウキウキ致しました♪。これで処女作なら上出来でしょう。
 女性レンジャーのアンナ・ピジョンが、同僚シェイラの事故死に疑問を持ち、上司に『不自然な死だ』と訴えるが無視される。で、アンナは独自に調査を続けるのですが何者かに命を狙われ死にかける。懲りずに調査を続けていると、もう一人の同僚も事故死。立て続けに起こるレンジャーの事故死は本当に事故か?、殺人じゃないのか?・・・という風に事件に巻き込まれるというストーリーです。
犯人は誰かという犯人捜しの要素はあるのですが、本作の魅力はそれ以外の所にある気がします。謎解きが中心というよりは、自然破壊への怒りや環境保護の難しさを訴える事に重点を置いて書かれているのですよね。女性レンジャー アンナは作者の代弁をしているように感じます。作者が実際にレンジャーとして働いているお陰か、描写が細やかで情景が目に浮かぶようです。それと公園のレンジャーが銃を携行して捜査するなんて面白いなと思っていたら、アメリカの国立公園のレンジャーは法執行官として捜査する警察権があるのだそうです。お勉強になりました。(主人公の姉の名がモリーというのですが、作者の姉の名と一緒でした。人物像まで似ているのだろうかとニンマリ)
追記・・・本シリーズは第一作だけ福武書店から上梓されています。版元が地味な所為か、入手が困難でした。
作家名INDEXホームへ戻る



山火事
FIRE STORM)
小学館 ソフトカバー 初版2002年7月20日
あらすじ  北カリフォルニアのラッセン国立公園付近で発生した山火事はなかなか収まりそうになかった。別の公園から鎮火作業に出動したパークレンジャーのアンナは、先住民を含む十余人のチームで延焼くい止め作業に当たる。作業中に負傷した隊員の救出作業中、突然彼らを襲ったファイアストーム(火事嵐)。山中で孤立し、アルミの簡易シェルターに避難した隊員たち。だが火事嵐が収まったとき、動かないシェルターをめくると、隊員の一人が背中にナイフを突き立てられて死んでいた。作業隊員の中に犯人がいる! 負傷者と食料不足とはかどらむ作業の中で、アンナは必死で真犯人を探り当てようとするが……。アンナ・ピジョン シリーズ第4作。

 
感想  誰が何人なのか?という犯人捜しが主題なんだけど、ミステリというよりは冒険小説に近いと思います。アメリカのニュース映像で見る山火事って物凄いなといつも思っていたんだけど、文章で読むと更に迫力がありますね。冒険小説として愉しんで読めました。元々、このシリーズは、女性パークレンジャー アンナ・ピジョンが主人公というより、国立公園の大自然が主人公でしょって思っていたんだけど、この作品は正に自然が主人公だね。ミステリとして読むなら、犯人がありきたりだとか、動機がはっきりしないとか、突っ込みどころも多いので、謎解きに期待しないで読むと愉しめると思います。



作家名INDEXホームへ戻る