ボディ ブロー (Body Blows) 真崎義博/訳 |
早川書房文庫 |
初版2010年12月15日 |
あらすじ |
元ボクサーのジョーはヴァンクーヴァーの高級ホテルで警備責任者を務めている。かつて経営者のレオを何者かの襲撃から護ったのがきっかけだった。ある夜、ホテルでレオの愛人だったメイドが殺される事件が起きる。ジョーは犯人探しを命じられるが、鍵となるレオの過去には濃密な死の香りが満ちていた…。ダークスーツがよく似合う、謙虚でクールなニューヒーロー登場!MWA賞に輝くスタイリッシュ・ハードボイルド。2010年のアメリカ探偵作家クラブ“MWA”賞最優秀ペイパーバック賞受賞作。 元ヘビー級ボクサー、ジョー・グランディ シリーズ第二作。
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感想 |
とても懐かしいタイプのハードボイルドです。そうだなぁ、例えるなら〜女に堕落してしまう前のスペンサーをもうちょっと普通にして(?)公徳心を持たせた主人公って感じでしょうか?(笑)。内容はというと、新人さんの割にはよく描けていて、立て続けに起こる殺人事件も無理なく収まるのですが〜一か所だけ残念に思う事が。作者が、時間の動きとか場所の移動を書くのがヘタクソなんですよね。なので、章が変わる時(場面が変わったり時間が経ったりする時に)先程までとは違う場所なんだと認識するまで数行読まないと理解出来ず、度々、ハテ?ここはどこぞ?と混乱してしまいました。これは、単に書き慣れていないだけだと思うので、作者の更なる精進を期待したいと思います。MWAのペーパーバック賞って、どっちかというとキャラクター重視のノリの良い作品が多い気がするのですが、この作品はそうじゃありませんので、いクつものペーパーバック賞を期待されると肩透かしに合うかも?。ですが、描かれているバンクーバーの街がなかなかに良い感じで、行ってみたいなと思わせる雰囲気を持った作品です。最後にぶっちゃけて言うと、キャラについてのね、書き込みが足らんと思うのですよね。これはひょっとすると、シリーズ1作目を読めば解消される事かもしれませんが。是非、1作目を読んでみたいです。
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