さよならを告げた夜


マイクル・コリータ(MICHAEL KORYTA)作家略歴&著作の感想
作家名 マイクル・コリータ(MICHAEL KORYTA)
生年月日 ???年(2004年で21歳だそうな)
生誕地  インディアナ州ブルーミントン
処女作  『TONIGHT I SAID GOODBYE』
(『さよならを告げた夜』早川書房ハードカバー)
デビュー年 2004年
公式サイト http://www.michaelkoryta.com/

作家略歴

インディアナ州ブルーミントン出身。インディアナ大学在学中に、探偵事務所や新聞社で働いた経験を生かし処女作を執筆。出版社セント・マーティンズ・プレスとPWA(アメリカ私立探偵作家クラブ)共催の新人コンテストで第一席に輝いた。後にMWA(アメリカ探偵作家クラブ)賞新人賞にもノミネートされた。

さよならを告げた夜
(TONIGHT I SAID GOODBYE)
早川書房 単行本 初版2006年8月15日
あらすじ  偵事務所の経営者ウェイン・ウェストンの死体が発見された。彼の美しい妻と六歳になる娘は行方不明だ。警察はウェインが自ら頭を撃ち抜いたと推定するが、彼の父ジョンには信じられない。「息子のことはよくわかっている。あいつは自殺などしないし、ぜったいに家族に危害を加えてもいない」元警官の探偵リンカーン・ペリーは、ジョンの熱意にほだされて真相究明を約束した。ペリーと相棒のジョーが調査を進めると、事件の背後には巨大な力が存在することが次第に明らかに――FBI、クリーヴランドの大富豪、そして特殊部隊出身の兇悪なロシア系マフィアたち。ウェインはいったい何の調査にかかわっていたのか? 妻と娘は生きているのか? やがて、調査を進めるペリーたちの身辺にも不穏な空気が流れだす――。

 
感想  うーーん。感想が書き難い作品です(笑)。作者が昔懐かしい探偵小説のファンなんだろうなってのが感じられる作品で、まぁまぁの出来なんですけどもインパクトはない。どう言えば良いのかな?。小奇麗に出来上がってはいるけど、スケールが小さいのですよね。公式HPによると、作者は(同時代の作家なら)ルヘインやペレケーノス、R・B・パーカーのファンなんだそうだけど〜この挙げられた三人の作家に共通する強烈な個性、パワーがないのですよね。(挙げられた三人の作家は三人共にデビュー当時から突っ込みどころは多いけども、読み手をぐいぐい引っ張っていくようなパワーがあり、それが魅力だと思うんですよね)この辺りは読み手の好みにもよるでしょうけど、ワタクシは、もう一歩何かが欲しいと感じました。きっとルヘイン辺りを意識して、作中で登場人物たちの語り口を粋に、軽妙にしようとしているのだろうけど、意図は分かるんだけども〜登場人物に惚れ込むほど巧い文章じゃないなって。(←キツイか?)ただ、将来性は感じられます。ラストがね、救いのある終わり方なんですけどね、作中で丁寧に人物造詣をされているので、ラストの心地よさはいい感じです。映画っぽいかな?。この作家の作品、映画化されたら良いかもですね〜。次回作に期待しますっ、化けてくれよっ(笑)。

後日・・・活字中毒仲間のLeiaさまが本作を読まれて〜一言感想を掲示板に書き込んで下さったので、ココに転載させていただきます。

Leiaサマ『この作家さん21歳でこれを書いたみたいですね。化けてくれそうな予感はしますが、残念なのは「大人の男女」がまだまだ描けていないことかな。あれでは主人公にも、キーの女性にも感情移入できないので、子供が良く描けているだけに惜しい!って感じ。いろんな経験して大人になったら、もっと、うんと良いものが書けるのではないだろうか』

管理人が言いたかったのはまさに↑のことだったんですよね〜〜〜(笑)。それと、この『さよならを告げた夜』とMWA処女長編賞を争ったドン・リーの『出生地(受賞作)』も読んだのですがね・・・こちらの『さよならを告げた夜』に軍配を上げます。(←偉そうな)『出生地』よりははるかに良い出来ですよ〜。



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