龍の契り

服部 真澄 作家紹介&作品紹介
作家名 服部 真澄(はっとり ますみ)  
生年月日 1961年
生誕地  東京  
処女作  龍の契り(りゅうのちぎり)
デビュー年 1995年

作家紹介

早稲田大学教育学部卒業後、編集製作会社勤務を経てフリーエディターへ。趣味が陶磁器の窯元巡らしい。 その所為か、骨董品店店主が主人公の連作短編集もあり。この方は女性だ。その上、美形。この作家の著作を読んだ事がある方はお解かり頂けるだろうが、非常に驚いた。

龍の契り 祥伝社 ハードカバー初版1995年7月20日
あらすじ 1982年、英国情報部が外交文書を撮影中、スタジオが全焼した。その折、忽然と消失したある機密文書―。 二年後、香港返還交渉に臨んだ英国サッチャー首相は、なぜかほぼ無条件で返還に合意した。それまでの強気な姿勢の英国を、 かくも弱気にさせたものとは?香港返還前夜、機密文書を巡り英、中、米、日の四カ国による熾烈な浄奪戦が開始された。

 
感想 ストーリーの本筋は1997年の香港返還にまつわる政治的な駆け引きというか謀略だ。1982年に北京を訪問したサッチャーは香港返還について「絶対にイヤだ」と言っていたのに何故、二年後にあっさりと香港を返還する気になったのか?。何故、殆ど無条件に近い形で香港が返還されたのか?。 この謎を中心に物語りは進んでゆく。元々、この手の話には弱いので愉しんで読めた。だが、途中が長すぎる。物語のスケールが大きいので致し方ないのかもしれないが、登場人物の掘り下げが今一歩だった。目の付け所は非常に良いし、巧いと思うのだが、何かが欠けているという印象。だが、これがデビュー作との事なので後を期待したい作家ではある。 香港にまつわる現代史の謎やイギリス外交の裏の部分などに興味を持たれている方は愉しめると思う。
この作家は高村薫女史と比較される事が多いのだが、ただ女性である以外に共通項はないと思うんだよね。この二人は書こうとしている事が全く違うのに、女性で視野の広い作品を書くというだけで同じ土俵に乗せるのは如何なものか?。きっと某F評論家あたりが言い出した事だろうな。こいつだいっ嫌いな評論家なんだよね。誰か判るだろうか?。
  追記・・・この本は某Pさんの薦めで読みました。彼女はワタクシの好みを熟知しているので厚い本ばかりを薦めてくれる。ハードカバーで二段組、438pもあります。



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