感想 |
初めて手にした作家なんですが、遠い昔にどこかで読んだような、そんな気にさせてくれる作品でした。例えるなら、プロンジーニの名無しの探偵+R・リオーダンのトレス・ナヴァー シリーズ+ルヘインのパトリック&アンジー シリーズを足して3で割ったような感じなんですよね(笑)。
物語は探偵小説の王道を行き(?)・・・依頼人に頼まれた調査を始めた探偵は、なぜか命を危うくするような大事件に首を突っ込んでいて・・・といった巻き込まれ型のミステリです。主人公の探偵エディが善意の人で、儲け話でもないのに一肌脱ごうとするんですよね。が、相手は驚くべき巨悪なもんだから、対峙する相手も極悪人。だけども、探偵を取り巻く友人の面々も揃いも揃って極悪人なんですよね。ただ〜善良なお友達が100人現れるよりも極悪人の方が主人公にとっては頼れる存在なわけで、この敵方の極悪人と探偵側の極悪人との対決といった物語なんです。この辺りがレヘインやリオーダンに通じるなと思う次第です。なんだかなぁ〜感想が感想になっていないのは久々に好みのタイプの探偵小説を読んで舞い上がっているせいです(笑)。物語の半ばで敵の正体が知れてしまうし、あまりにも主人公に都合よく終わってしまうし、色々と突っ込みどころも多いけれど、ある種の(?)探偵小説ファンには堪えられない面白さです。ページ数も長編というよりは中篇だし、テンポも良いしお勧めです。
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