感想 |
処女作にしては纏まっているんですが、私にしては珍しく、なぜか虫が好かない(?)作品です。主人公は人権派弁護士で、仕事柄知り合いだった検屍官のジェイクと、ある事件が切っ掛けで共に事件の調査に当たることになるという展開なんですが、著者が煮上がっているのが鼻につくんですよね(笑)。(煮上がるとは博多弁で調子に乗るとかエラソーにするとかいう意味)検死官が弁護士と組んで書いているんだからと、あれもこれもと詰め込んで、ひけらかす様な描写が気になるのかもしれません。今から解剖をしようとするジェイクが、ド素人であるマニーを解剖室に引っ張り込み、解剖の助手をさせるという場面があるのですが、どうだどうだ!気味が悪かろう!っと調子こいて書き続ける作者を嫌悪してしまいました。ただ単に、死因が毒殺かどうか肝臓を検査するというだけの場面をあれほど引っ張るのは自意識過剰か悪趣味としか言えません。検死シーンがきっとウリなんでしょうけど。パトリシア・コーンウェルを過剰に意識しているんでしょうね。それに、どこら辺にロマンスが絶妙に絡み合っているのか、私には分りませんでした。国家の陰謀を匂わせたにも関わらず、着地があれじゃ・・・(謎。
|