千の嘘


ローラ・ウィルソン(Laura Wilson)作家略歴&著作の感想
作家名 ローラ・ウィルソン(Laura Wilson)
生年月日 1964年
生誕地  イギリス 
処女作  A Little Death (1999)
デビュー年 1999年
公式サイト http://www.laura-wilson.co.uk/

作家略歴

 
Series DI Ted Stratton
1. Stratton's War (2007)
aka The Innocent Spy
2. An Empty Death (2009)

Novels
A Little Death (1999)
Dying Voices (2000)
My Best Friend (2001)
Hello Bunny Alice (2003)
Telling Lies to Alice (2004)
The Lover (2004)
A Thousand Lies (2006)


千の嘘
(A Thousand Lies)
東京創元社 創元推理文庫 初版2008年7月31日
あらすじ  母の遺品整理中にモーリーン・シャンドという女性の日記帳を見つけたエイミー。一見平凡なその記述に違和感を覚えた彼女は、モーリーンについて調べはじめる。だが、18年前にシャンド家で起きた殺人事件のことを知り、モーリーンの母や姉とじかに接触を持った直後から、エイミーの身辺では不審な出来事が相次ぐ。事件はまだ終わっていないのか?幾千もの嘘が彩る悲劇の真実とは。

 
感想  ”家族、家庭”というのは、一歩間違えば地獄にもなりうるんだということが描かれている物語で、重く暗い内容でした。ですが、作者の優しい目(視点?)のお陰か、重さの割には読み易く仕上がっていると思われます。好みは割れると思いますが、物語はというと・・・
エイミー・ヴォーンは、長く不仲であった母親の遺品の整理中、モーリーンという女性の書いた日記帳を発見する。日記を読み進むと一見普通の日常を書いているように見えたのだが、内容に違和感を感じるエイミー。そして、その日記と一緒に、とある事件を報道した18年前の新聞の切抜きを発見して驚くエイミー。その事件とは、長く父親に性的虐待を受けていたモーリーンと姉シーラ、そしてその母アイリスが、父親を射殺したと書かれていて、その一家は母方の親戚にあたるのだ。エイミーは今も生きているアイリスに接触し、なぜモーリーンの日記がエイミーの母の手にあったのか探ろうとするが、それを境にエイミーの周辺で不審な出来事が相次ぎ・・・という展開です。この主人公のエイミーは自立した女性なんだけど、彼女も子供の頃に虐待を受けていて、それでトラウマを抱えているのですよね。彼女の母はミュンヒハウゼン症候群で、エイミーは母と暮らしている間、いつも病気を抱えていたのですよね(薬を盛られていた?)。そんな彼女が、小さい頃から虐待を受け地獄を見た親戚の女性たちと接触を持とうとするんだけど、実は事件は加虐待者であったアイリスの夫が死んだ時点では終わっておらず、更なる・・・これ以上は触れませんけど(笑)。ミステリというよりは普通小説に近いかもしれません。ワタクシは楽しめましたけど、読み手を選ぶジャンルだと思われますので、興味をもたれた方はどうぞ♪。



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