感想 |
”家族、家庭”というのは、一歩間違えば地獄にもなりうるんだということが描かれている物語で、重く暗い内容でした。ですが、作者の優しい目(視点?)のお陰か、重さの割には読み易く仕上がっていると思われます。好みは割れると思いますが、物語はというと・・・
エイミー・ヴォーンは、長く不仲であった母親の遺品の整理中、モーリーンという女性の書いた日記帳を発見する。日記を読み進むと一見普通の日常を書いているように見えたのだが、内容に違和感を感じるエイミー。そして、その日記と一緒に、とある事件を報道した18年前の新聞の切抜きを発見して驚くエイミー。その事件とは、長く父親に性的虐待を受けていたモーリーンと姉シーラ、そしてその母アイリスが、父親を射殺したと書かれていて、その一家は母方の親戚にあたるのだ。エイミーは今も生きているアイリスに接触し、なぜモーリーンの日記がエイミーの母の手にあったのか探ろうとするが、それを境にエイミーの周辺で不審な出来事が相次ぎ・・・という展開です。この主人公のエイミーは自立した女性なんだけど、彼女も子供の頃に虐待を受けていて、それでトラウマを抱えているのですよね。彼女の母はミュンヒハウゼン症候群で、エイミーは母と暮らしている間、いつも病気を抱えていたのですよね(薬を盛られていた?)。そんな彼女が、小さい頃から虐待を受け地獄を見た親戚の女性たちと接触を持とうとするんだけど、実は事件は加虐待者であったアイリスの夫が死んだ時点では終わっておらず、更なる・・・これ以上は触れませんけど(笑)。ミステリというよりは普通小説に近いかもしれません。ワタクシは楽しめましたけど、読み手を選ぶジャンルだと思われますので、興味をもたれた方はどうぞ♪。
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