あの日、少女たちは赤ん坊を殺した

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ローラ・リップマン(LAURA LIPPMAN)作家略歴&著作の感想
作家名 ローラ・リップマン(LAURA LIPPMAN)
生年月日
生誕地  ジョージア州アトランタ
二歳で北部へ引越し
処女作  ボルチモア・ブルース
デビュー年 1997年
公式サイト http://www.lauralippman.com/


作家略歴

新聞記者として活躍した後、1997年に女性探偵テス・モナハン シリーズの第一作『ボルチモア ブルース』でデビュー。第二作『チャーム・シティ』でMWA賞、CWA賞をダブル受賞。シリーズ外作品『あの日、少女たちは赤ん坊を殺した』でアンソニー賞&バリー賞を受賞。

詳しい経歴は後日、書き足します。

あの日、少女たちは赤ん坊を殺した
(Every Secret Thing)
早川書房 文庫 初版2005年10月10日
あらすじ  灼熱の太陽の下、放置された赤ん坊に出会った二人の少女。乳母車は次第に熱を帯びるが、家族の姿はどこにも見当たらない。少女たちは赤ん坊を保護しようとその場から連れ去るのだが・・・。七年後、施設から出所した少女たちの『あの日』の記憶は曖昧だった。一つだけ確かなのは赤ん坊を殺してしまったこと。少女たちはなぜ殺害に至ったのか?そして二人の身辺で新たに頻発する幼児連れ去り事件の真相とは?。

 
感想  この作家の処女作を読んだ事があったのですが、文体が合わなかったのですよね(笑)。で、本作はシリーズ外作品だと知り、もう一度読んでみる事にしたのですが・・・。やっぱり文章が合わないというか読み難い。読んでも読んでも、読み慣れるまで文章の意味が頭で咀嚼出来ないのですよね。これはワタクシの読解力が無いせいか、はたまた、作者の文体が私には合わないのか、それとも訳者がヘタクソなのか不明です。原書を読まれた方、教えて下さいませ。

 で、作品の内容についてですが非常に楽しめました。冒頭に書いたように、読み難い文章なのですが、それも100Pほど読んだ所でなんとか慣れて、後は作品に引き込まれました。二人の少女が一人の赤ん坊を乳母車ごと連れ去り、そして殺してしまう。で、少女たちは7年後に更生施設から釈放されるのだけれど、釈放された途端に赤ん坊の連れ去り事件が多発する。過去に赤ん坊を殺した少女二人が釈放された途端に起こる赤ん坊連れ去り事件は誰の仕業か?というストーリーです。この新たな事件の犯人は誰か?というストーリーとは別に、七年前に起こった赤ん坊殺しの真相はなんだったのか?どちらの少女が真犯人なのかという謎が読者の前に晒されていくのですが・・・この作家は巧いですね。処女作の頃とは雲泥の差があります。感想を書く事自体がネタバレに繋がるので、書けませんが、リップマンのシリーズ作品はちょっと苦手って方にお薦めしたいですね。ちょっと後味の悪い作品なので、ハッピーエンドを求められる方にはお薦めしません。
 この作家が、なぜこういうお題をシリーズ外作品に選んだのか、ちょっと興味があってオフィシャルサイトを覗いたら、克明に述べられているインタビュー記事を発見しました。インタビュアーはジェフ・アボットという驚きの組み合わせです。インタビューページはこちら です。



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