捜査官ケイト


ローリー・キング(LAURIE R.KING)作家略歴&著作の感想
作家名 ローリー・キング(LAURIE R.KING)
生年月日 1952年
生誕地  サンフランシスコ
処女作  捜査官ケイト(A GRAVE TALENT)
デビュー年 1993年
公式サイト http://laurierking.com/


作家略歴

1952年サンフランシスコ生まれ。大学での修士論文は『エホバの女性的側面』。1977年、宗教学の教授と結婚し、五大陸20カ国を旅した。家族は夫と母親と二人の子供、、九人の義理の孫がいる。『捜査官ケイト(A GRAVE TALENT)』で1994年度のMWA新人賞を受賞。

捜査官ケイト
(A GRAVE TALENT)
集英社文庫 初版1994年11月25日
あらすじ  新任の女性捜査官ケイトを見て、ベテラン捜査官のアルは、不満げだった。だが事件は待ってはくれない。サンフランシスコ郊外のコミュニティで次々と発見された女児三人の殺害死体。二人はお互いを意職しながら、住民の聞き込みを始める。容疑者とした浮かびあがったのは、美しく才能豊かな女流画家。彼女には17年前、女児殺害で刑に服した過去があった…1994年度エドガー・アラン・ポー賞受賞作。

 
感想  処女作にしてはなかなか面白かったです。
冒頭で幼女の殺人事件が起こる。それを捜査するのは自分が同性愛者だということをカミングアウトしていない女性捜査官ケイト。で、ここで危惧するワケですよ。子供を狙う連続殺人事件や、主人公がゲイで警察組織の中で苦労するなんてよくあるストーリーだし、同性愛=主人公の心の傷みたいな図式が延々と続くのだろうかと危ぶんだのですが、そのままでは終わりませんでした(笑)。容疑者と目される天才画家が17年前に幼女を殺したとして実刑を受けていたのですよね。で、調べていく内に過去の事件は本当にこの画家が犯人だったのかという疑問がでてくるのですよね。この過去を持つ女性が味のあるキャラクターで、在り来たりな(失礼)ストーリーにも関わらず、これだけ楽しめたのは人物造詣の良さに尽きるなという感じです。後味も良い作品なので、救いの無い話は嫌いって方にお薦めです。ただし、途中から犯人が誰かという事が読者に明かされてしまうので、フーダニットの要素を求める方には面白くないでしょう。



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