感想 |
なかなか面白かったのですが、純粋なミステリを好まれる方にはちょっと不向きかもしれません。というのも、犯人の予測が物語り半ばでついてしまうのですよね。ミステリじゃなくても楽しめればOKという方だったら大丈夫だと思います。
ラジオで悩み相談番組のパーソナリティーを務めるサマンサの元へジョンと名乗る男から脅迫電話が掛かって来るようになる。段々とエスカレートする脅迫に怯えるサマンサは警察へ通報する。ニューオリンズでは同時期に街娼を狙った連続殺人事件が起こっていたのだが、サマンサを脅迫しているジョンと、その連続殺人犯は同一人物の可能性が浮上。そしてサマンサの隣家に謎の男が引っ越してくる・・・というストーリーです。この脅迫はサマンサの過去に起因したものなのですが、この辺りの構成は上手い、というか手馴れているなといった印象を受けました。で、調べてみたらば、この作家は本国では50作以上の作品を著しているベテラン作家だったのですよ。なるほどと頷けます・・・が、一つだけ不満な部分が。主人公のサマンサはモデルも羨む様なゴージャスな美女なワケですよね。で、ジョンと名乗る犯人も、誰が見てもハンサムだと評する美男子。で、サマンサの隣家に移り住んできた謎の男もこれまた美男子なのですよね。なぜにここまで美男美女ばかりが出てくるのかという疑問というか不満感は拭えません。主人公と謎の男とのラブシーンというか濡れ場の描写も多過ぎるし、こういうサイコサスペンスには無駄だなというページも多いのですよね。(殺されるかもしれないという恐怖感の中で、どこの誰だか分からない男と寝てしまう不注意な主人公に感情移入出来ないし)ラブロマンスならラブロマンスに、サイコならサイコに徹した方が物語り自体を楽しめると思うのですが・・・。これね、相手がくたびれた中年男性だったら頷けたのかも?!。サイコサスペンスとラブロマンス物との融合といった感じの作品なので、女性向けなのかもしれませんね。
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