殺し屋ケラー シリーズ殺し屋

マット・スカダー シリーズ皆殺し

ローレンス・ブロック(LAWRENCE BLOCK)作家紹介&作品紹介
作家名 ローレンス・ブロック(LAWRENCE BLOCK)  
生年月日 1938年6月24日
生誕地  アメリカ ニューヨーク
処女作 
デビュー年
公式サイト http://www.lawrenceblock.com/index_framesetfl.htm


作家略歴



二十代初めの頃から小説を発表し、作品の数は極めて多い。『過去からの弔鐘』で始まったマット・スカダー・シリーズは第9作『倒錯の舞踏』がMWA最優秀賞を受賞、第11作『死者との誓い』がPWA賞を受賞。他にも受賞作が多数有り。
アメリカミステリ界の重鎮です。MWA巨匠賞を受賞するほどの大作家なのですが、日本では欧米ほどの人気は無いみたい・・・男性ファンが多いことが特徴?・・・。
代表作は、元アル中・私立探偵マット・スカダー・シリーズ。シリーズ全編を通して描かれる”男の哀愁””ロマン”は、大人向けなのかもしれません。徹底して描かれているのが、主人公の弱さ、大都会の闇、人間の持つ暗部。善も悪も誠実に描く、誠実な作家という印象です。
 この外にも「泥棒バーニー・シリーズ」や「殺し屋ケラー・シリーズ」等が有名。

 著作が非常に多い上に、版元がバラバラです。オンライン書店での検索をお薦めします。
版元は早川書房(文庫とHPB版)、二見書房(ハードカバー、文庫)光文社(一冊)、東京創元社(一冊)と多岐にわたります(他に”ローレンス・ブロックのベストセラー作家入門”原書房もあり)アンソロジーに収められた短編も多数あります

ブロックは自己PR誌なるものを不定期で発行しているらしい。Eメールで Lawbloc@aol.com 宛に自分の住所を書いて申し込めば誰でも無料で送って貰えるそうな。上記の公式サイトに記述があると思う。お試しあれ。


殺し屋 二見書房 初版:1998年10月25日
あらすじ 殺し屋ケラーの今回の標的はテキサスの大富豪だった。ケラーは下見の為、当の富豪が主催するガーデン・パーティーに潜り込む。だが、富豪の孫がプールで溺れ掛けているのを目撃し、止むに止まれず助けた事から事態は思わぬ方向へ・・・。MWA短篇賞受賞作が収録された連作短編集。
  ・・・目次・・・

 1.名前はソルジャー
 2.ケラー、馬に乗る
 3.ケラーの治療法(MWA最優秀短篇賞受賞)
 4.犬の散歩と鉢植えの世話、引き受けます
 5.ケラーのカルマ
 6.ケラー、光り輝く鎧を着る
 7.ケラーの選択
 8.ケラーの責任(MWA最優秀短篇賞受賞)
 9.ケラーの最後の逃げ場
10.ケラーの引退
訳者あとがき(田口 俊樹氏)

 
感想 ローレンス・ブロックといえば『マット・スカダー・シリーズ』が何といっても一番人気だろう。私も好きなシリーズではあるのだが、この殺し屋ケラーには特別な愛着がある。ストーリーはどうといった事の無いものばかりなのだが、ドコにでもいそうな孤独な主人公がお気に入りなのだ。この辺がブロック氏の手腕なのだろう。ブロック氏が若い時に著した切れ味鋭い作品も好きだが、ケラーも好きなのだよ。むふ。ストーリー・テラーのブロック氏は短篇も巧い。
  本作で二度のMWA短篇賞を受賞している。珍しいんじゃないかな?。同じシリーズの短篇が二度受賞し、その両方が一冊に収録されているなんて。お得な文庫だ。
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皆殺し
(EVERYBODY DIES)
二見書房 単行本(文庫も有り) 初版1999年10月25日
あらすじ  友人ミックの手下が二名、郊外の倉庫で何者かに惨殺された。ミックの依頼をうけて、スカダーは犯人探しを請け負うことになる。だが調査を進めるうちに、スカダーは敵の襲撃にあい、抗争に巻きこまれた周囲の人間までもが、次々に殺されていく…。追いつめられてゆくミックとスカダー。はたしてふたりはこの戦いから生還することができるのか。そして姿なき暗殺者の意外な正体とは―。マンハッタンを舞台に繰り広げられる壮絶なハードボイルド。

 
感想  私がスカダー シリーズを読み始めたのは、シリーズに出てくるミック・バルー(脇役でスカダーの友人)が気に入ったから(笑)。でも、最近の作品ではミックの登場が少なくて寂しかったんですよね。でも!本作では準主役♥。この作品はスカダーファンには不評だったそうだけど、私にとってはお気に入りの一作です。

 友人L様が本作を読まれたと伺って、久々にスカダー シリーズを読んでみるかな〜と再読してみたのですが、これが大正解(笑)。というのも今現在、ワタクシは休肝日を作るべく酒を抜いている日があるのですよね。で、自分自身が夜毎『はぁ〜呑みたいなぁ』と悶えているので、スカダーが禁酒を続ける苦しみというか弱さが身に沁みたのですよね。呑む口を持った人間が酒場に出入りしてコーヒーやミネラルウォーターを呑む苦しさは並大抵じゃないですよ(笑)。昔は(最初に読んだ頃は)スカダーが抱える『アル中』という弱さがイマイチ良く理解できなかったので、『殺し屋ケラー』や『泥棒バーニー』の方を気に入って読んでいたのですが、今なら彼の持つ苦悩も寂しさも理解できる。年をとって再読するって良い事だと気がついたワケです♪。
ストーリーは至って簡単で、ミックを狙う何者かが、ミックの周りの人間を次々と殺して行くんだけど、ミックとスカダーには敵の正体さえも分からない・・・という展開です。このシリーズをはじめて読まれる方には『乱暴なストーリーだな』と思われそうなので、入門書には向かないかもしれません。特に『スペンサー』が嫌いと仰る方には最初の頃の作品をお薦めします。
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