文庫本の価格差について 扶桑社VS講談社
 私は翻訳物のミステリやハードボイルドが好きなので色々な版元から出た文庫本やハードカバー&ソフトカバーを読むのだが、いつも『変だなぁ』と思っている事がある。それは版元によって本の価格に大きな差がある事だ。作家の知名度や受賞歴により版権料に差があるだろうから当たり前なのかもしれないが、それでも気になるので実際にデータをとってみた。
 下記の表は一番、文庫の価格が高いと思われる版元・講談社と一番安いんじゃないかと思っている扶桑社文庫との比較だ。
作家によって版権料に差があるだろうから公正を期し、同じ作家で別々の版元から出版されているマイクル・コナリーで試してみた。講談社は『バッドラック・ムーン』で、扶桑社は『ラスト・コヨーテ』でデータをとった。両作品とも上下巻です。


扶桑社文庫と講談社文庫の対比表

扶桑社講談社
1P当たりの行数18行16行講談社が2行少ない
1行当たりの字数42字41字講談社が1字少ない
1P当たりの字数756字656字講談社が100字少ない
1冊のページ数336p272p講談社が64p少ない
本の価格544円857円扶桑社が313円安い
1字当たりの価格0.0021415円0.0048029円講談社が扶桑社の倍の価格


驚くべき結果だ。
一字当たりの価格が倍以上違うじゃないか?!。
元々、講談社の文庫が高いと思っていたのだけれどこれ程の差があるとは思わなかった・・・。講談社の文庫『バッドラック・ムーン』は上下巻揃えると1733円。もうハードカバーの価格だよね。文庫だからと言って安いとは限らないのだ。参考の為に他の版元の翻訳本ハードカバーの価格を挙げると早川ハードカバーは2300円(369p)、扶桑社ソフトカバー(簡略化した装丁の単行本・448p)は2095円だ。講談社と比べるとハードカバーと文庫本の価格差が殆ど無い。
価格だけで比べる事が出来ないのは分かっている。文字と文字の行間が広くて活字が大きめの講談社文庫を好まれる、視力の悪い方もいらっしゃるだろうしね。
私の場合は安くて文字数の多い本の方を好んで読むので下記の写真のようになるワケだ。

文中に出てくる価格は全て税抜きの価格です。
(2004/8/23)


この写真の本は3週間くらいの間に読んだ本なのだが扶桑社が7冊、早川が2冊、講談社が3冊だ。比べて読むと字の大きさや行間の差が歴然なのでこんな暇な事をしてしまった・・・。

ちなみに左の本がソフトカバーの単行本。
ハードカバーに比べると表紙が柔らかい紙で出来ている。
装丁が簡略化された分だけ値段が安い。


講談社ばかりを高いというのは不公平なので今度は全版元でやってみよう・・・。暇人だって?ぐふふ。
ホームへ戻る