二銭銅貨 |
江戸川 乱歩 |
大正12年「新青年」初出。本作でデビュー。作家であり、評論家であり、推理作家界のリーダーでもあった。昭和40年70歳で逝去。 |
アラディンのランプ |
甲賀 三郎 |
昭和8年「新青年」初出。怪弁護士手塚竜太シリーズの一遍。乱歩のライバル作家と呼ばれた。終戦の年、旅先の岡山で急死。没年52歳。 |
司馬家崩壊 |
水谷 準 |
昭和10年「新青年」初出。戦前の探偵小説の檜舞台であった「新青年」の編集長を17年間つとめた。小栗、木々、久生、獅子等を発掘、育成した。 |
獏鸚(ばくおう) |
海野 十三 |
昭和10年「新青年」初出。新青年編集長水谷が題を付け、これに応戦して「課題小説」として書き上げた、トーキーフィルムに暗号を絡ませた作品。昭和24年、逝去。 |
闖入者 |
大阪 圭吾 |
昭和11年「ぷろふいる」初出。戦前の数少ない本格派の一人。この作品のトリックには”ダイイングメッセージ”が使われている。フィリピン、ルソン島で戦病死。 |
虫文学 |
木々 高太郎 |
昭和11年「令女界」初出。楽譜とロシア語を媒介とする難解な暗号が中核をなす作品。慶應義塾大学医学部教授で医学博士。44年、72歳で逝去。 |
風車 |
岩田 賛 |
昭和23年「黒猫」初出。山田風太郎、島田一男、香山滋氏と同時期に雑誌の新人賞に入選。トリックを核とした本格物を著した。25年筆を折り、地方公務員として勤務した。 |
暗号海を渡る |
九鬼 紫郎 |
昭和23年「ミステリイ」初出。甲賀三郎に師事し、創作と評論で活躍。ユーモア物、サスペンス、捕物帳、時代小説も著す。京都の同人雑誌から出発した「ぷろふいる」の編集長10年から廃刊までつとめる。 |
粘土の犬 |
仁木 悦子 |
昭和32年「宝石」初出。初期短篇。氏としては珍しく凄みのきいた作品。トリックは、幼い盲目の目撃者による一種のダイイングメッセージ物。 |
侘び証文 |
火野 葦平 |
昭和33年「宝石」初出。純文学作家として有名だが、氏は熱烈な探偵小説ファンであったらしい。江戸川乱歩が雑誌「宝石」の再建の為、氏に執筆依頼しそれに応えて書いたのが本作。昭和35年没。 |
三億円犯人の挑戦 |
佐野 洋 |
昭和45年「小説現代」初出。昭和43年の”三億円事件”に材をとった作品。乱歩氏の「二銭銅貨」を意識した作品のようだ。 |
新魚の罠 |
幾瀬 勝彬 |
昭和46年「推理文学」初出。本作は乱歩氏の「二銭銅貨」に対抗して書かれた作品。戦後20年近く放送業界で働いた後、作家となる。 |
砂の時計 |
鮎川 哲也 |
昭和47年「別冊小説現代」初出。クイーン好きだった氏らしい”ダイイングメッセージ物”。はじめ犯人捜し物として書かれたが、難解すぎるとして編集者から拒否されたという、いわくつきの作品。 |