ジョー・ネスボ(Jo Nesbo)作家略歴&著作の感想 |
---|
作家名 | ジョー・ネスボ(Jo Nesbo) |
生年月日 | 1960年 |
生誕地 | ノルウェー オスロ |
処女作 | ??? |
長編デビュー年 | 1997年 |
公式サイト |
コマドリの賭け (The Redbreast) |
ランダムハウス講談社文庫上下巻 | 初版2009年2月10日 |
あらすじ | 1942年。第二次世界大戦、ドイツ軍指揮下・東部戦線の英雄ダニエルが殺された18ヵ月後、ウィーンの病院に入院中の若きノルウェー兵士と看護婦が恋に落ちた。この二人の波乱の運命が思いがけない波紋となって広がっていくことに―。1999年。ノルウェー、オスロ。余命いくばくもない老人がネオナチに接近し、悪名高い暗殺用ライフルを入手。果たして彼の標的となる人物は誰なのか?。
|
|
感想 | 第二次世界大戦中の東部戦線と現在とが交互に、そんでもって同時進行で描かれていくので、物語の方向性が見えるまで感情移入し難い難しい作品なのですが、その取っ付き悪さをぶっ飛ばすほどの面白さが中盤からやって来ます。なので、どうか途中で投げ出さずに読了をと忠告したくなる作品でした(笑)。(版元は『ジャッカルの日』に匹敵するノルウェーミステリと謳ってますが、暗殺物であるけれど警察小説・スリラーといった雰囲気も強く、一つのジャンルに収まらない作品です) 癌が全身に転移しいつ死んでもおかしくない老人がネオナチに接近し、暗殺者御用達という高性能かつ高価なライフルを手に入れるのですよね。で、老人は50年間封じ込めていた無念を晴らすために暗殺者となる道を選ぶんだけど、作中で描かれている過去によって、老人がなぜ暗殺という道を選ぶのかが読者に明らかにされていきます。その描かれている過去もナチスドイツを扱ったものにありがちな悲壮感はなく、ただ淡々と当時、ナチスのプロパガンダによって踊らされた若者達が描かれていて、読んでいて非常に切なかったというか・・・。なんと言えば良いのかなぁ、ノルウェー人から観たナチスドイツ感みたいなものが英米のそれとは大きく違っていて、非常に興味深い作品でした。歴史的背景と現在とがバランスよく描かれているんだけど事の善悪をあげつらわないというか。まぁ、一言で言うとストーリーがよく出来ているんですよ。これは書評なんかを読んでしまって下手な先入観を抱いてから手にするのは惜しい作品です。ぜひ、ご一読下さいませ。 この作品ですね、主人公がタイやオーストラリアで活躍した作品ってのが存在するらしく(それが処女作?)作中で何度も触れられているんですよね。読み手としては非常に気になります。それに作中でとある重要人物が死んじゃってハリーがボロボロになるシーンがあって、そこが感動でね(笑)。その重要人物とハリーはどういう仲だったのか知りたいし、是非とも過去作品も邦訳されることを期待します。ハリーがなぜアルコール依存症になったのかなど本作では触れられていないので〜お願いっ(笑)。 |