ジョナサン キング(JONATHON KING)作家略歴&著作の感想 |
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作家名 | ジョナサン キング(JONATHON KING) |
生年月日 | ???年 |
生誕地 | 米国 ミシガン州 |
処女作 | 『THE BLUE EDGE OF MIDNIGHT』 (『真夜中の青い彼方』文春文庫) |
デビュー年 | 2002年 |
公式サイト | http://www.jonathonking.com/ |
真夜中の青い彼方 (THE BLUE EDGE OF MIDNIGHT) |
文芸春秋社 文庫 | 初版2006年9月10日 |
あらすじ | 静かな夜の川で私が発見したのは、連続幼児誘拐殺人の新たな被害者だった。事件への関与を疑われた私が単身で調査を始めた矢先、またも子供が消えた。その子の命を救い、深い森に潜む悪鬼を狩るべく、私は捨て身の戦いを挑む―。自責の念を抱えて森に隠棲する元刑事の苦闘。アメリカ探偵作家クラブ最優秀新人賞を受賞。
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感想 | 読みながら、読み終わるのが勿体無いと感じる作品に久々に当たりました(笑)。この作品、文章が良いのですよね。文章が良い上に訳者 芹澤恵さんの日本語が悶える日本語(?)なので、喜びが倍増でした。通好みの作品だと思われますので、ワタクシの駄文を読む暇があったら今すぐ本屋に走りましょう。お勧めですぞ〜。(訳者さんについてはこちら に書きましたのでココでは省きます) で、感想〜。 主人公マックス・フリーマンは元フィラデルフィア市警の警官で、現在はフロリダ州エヴァーグレイズの湿地帯に住み隠遁生活を送っている。で、そんなフリーマンがある夜更け、カヌーで川を遊弋している最中に、殺され遺棄された幼児の遺体を発見する。その幼児は連続児童誘拐殺人事件の第3の被害者で、第一第二の被害者の遺体も湿地帯で発見されていた。遺体の発見者であり世捨て人であるフリーマンは容疑者扱いされ・・・という展開です。遺体の発見者が容疑者と目され、その疑いを晴らすために一人調査を開始する元警官の主人公なんて良くあるストーリーだけど、古臭さや二番煎じだなという感じは全く受けません。きっと、作者の描写というか〜文章の美しさのお陰だと思います。物語に突っ込みを入れようと思えば、殺害方法に趣向を凝らした(?)割には犯人が当たり前過ぎるよな〜とか、犯人と疑われているのに被害者の葬儀に自分の車で乗りつけ、警官に職務質問されるなんて軽率な主人公だよな〜とか真犯人に狙われていると分かっていながら銃を携行するのを忘れるなんて〜とか色々あるんだけども、そんな小さな事を忘れさせるほど完成度が高い作品だと思います。ストーリーに(展開に)破綻がない上に、脇役陣の人物造詣が良いのですよね(笑)。処女作でこれだけ書けていれば100点を差し上げましょう(←偉そうな(笑))。本国では既に5作品も上梓されているそうなので、急いで次作が邦訳される事を切に願います。勿論、訳者は芹澤恵さんでお願い致します。ってか、他の訳者に変えるなよっ(オラオラ。 ・・・版元はこの作品をハードボイルドだと称しているけれども、私個人の印象は普通小説というかダシール・ハメット賞受賞作っぽいなと。(最近のハメット賞受賞作は文学っぽい作品が多いので(笑) |