最後の陪審員


ジョン・グリシャム(JOHN GRISHAM)作家略歴&著作の感想
作家名 ジョン・グリシャム(JOHN GRISHAM)
生年月日 1955年2月8日
生誕地  アーカンソー
処女作  『評決のとき』
デビュー年 1989年
公式サイト http://www.randomhouse.com/features/grisham/

作家略歴

ミシシッピ州立大学、ミシシッピ大学ロースクールを卒業。1981年から1991年まで弁護士をつとめ、1984年から1990年まではミシシッピ州の下院議員を兼務した。1989年に『評決のとき』を出版。著書に『法律事務所』『ペリカン文書』『依頼人』『処刑室』『原告側弁護人』『陪審評決』『パートナー』『路上の弁護士』『大統領特赦』がある。

最後の陪審員
(THE LAST JUROR)
新潮社 文庫 初版2008年1月1日
あらすじ  うら若き未亡人が殺された。それも幼子二人の前で、無惨にもレイプされ――。ときは1970年代、大学を出たばかりのウィリーは思わぬなりゆきから南部フォード郡の地方小新聞を買収したばかりだった。がむしゃらに新聞を軌道に乗せようとしていた彼が出会ったその大事件は、彼の人生そのものを変えることになる……。

 
感想  活字中毒者仲間のLさまから『この作品はグリシャムのファンにはウケがよくない作品だけれど、Lさま自信は面白く読まれた』ってな事を伺い、興味を持って読んでみました(笑)。今までグリシャム作品はペリカン文書くらいしか読んだ事がなかったのですが、これはひょっとすると読めという天からの啓示かと(?)思ったので♥。
で〜読んでみたのですが。変な思い入れを持たないで読んだのが良かったのか、これがファンの皆さんにウケが悪いという意味が分かりませんでした。多分・・・リーガルサスペンスとは言い難い作品だから読者の評価が割れるのかもしれません。本作には法廷シーンがあるんだけれども、その裁判自体が物語の核ではないんですよね。若くして新聞社を買収した主人公ウィリーが、人種差別の厚い壁を突き抜け、新聞社と共に成長していく過程が描かれていて、あえてジャンル分けするなら普通小説に近い内容です。ミステリ狂だと自信で名乗っていて、グリシャムを2作しか読んでいない私には、この作品は新鮮でした。変な先入観があって、グリシャムは法廷シーンに力を入れる分だけ人物造形が雑だと思っていたんですよね。本作を読んでみて、読まずに勝手に評するのを反省したくらい、登場人物が丁寧に書き込んであって好感が持てました。それと、白石朗氏の訳が本作の雰囲気とマッチしていて気に入りました。避けていたグリシャムを攻めてみようかな〜♥。
某版元の超訳はタダでも読みませんけどね(謎。



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