狂犬は眠らない


ジェイムズ グレイディ(JAMES GRADY)作家略歴&著作の感想
作家名 ジェイムズ グレイディ(JAMES GRADY)
生年月日 1949年
生誕地  モンタナ州シェルビー
処女作  Six Days of the Condor
デビュー年 1974年
公式サイト http://www.jamesgrady.net/

作家略歴



狂犬は眠らない
(MAD DOGS)
早川書房 文庫 初版2007年12月15日
あらすじ  スパイとして働きすぎて頭がいかれた5人組・・秘密の精神科病院に収容された元CIAのメンバーらは、各々ハンデを抱えていた。ラッセルは音楽を口ずさまずにいられない、ゼインは暑さに全く耐えられない、ヘイリーは常に悲観的、エリックは誰の命令にも服従してしまう、ヴィクは時々フリーズする。そんな彼らが病院で起きた医師殺しの真犯人を見つけるべく脱走を決行! 薬がきれて暴走する前に真相に辿りつけるのか?

 
感想  いやぁ〜参りました。感想が書き難い作品なんですよね。なぜかというとバッチリ好みの作品なんです♥。「なんでんかんでん良かけんが、読んでみてんしゃいっ」と博多弁で言いたいくらいツボにはまりました(笑)。
で、物語はというと・・・CIAでスパイや工作員として働いていた過去を持つ人々専用の精神病院がある。で、その精神病院へ入っているのは、過去にCIAの工作活動に従事した人=バレてはいけない国家機密を知っている人なので何が何でもその病院から外に出しちゃいけないんだけども。その病院の精神科医が病棟内で惨殺されるという事件が起こる。で、その病院へ閉じ込められていた元CIAの狂人5人はこのまま病院へいたんでは精神科医を殺したという罪を着せられることになるからと手に手をとって仲良く病院を脱出し自分たちの主治医を殺した犯人を捜そうとする・・・という展開でして。ミステリというかサスペンスというか、まぁジャンルなんて何だって良いのだけど、これが面白いんですよね。5人は狂人には違いないんだけど、そりゃ誰だって狂うよなっていう同情すべき過去を持っているんですよね。物語は笑える場面も多いし、5人の狂人たちが魅力的に狂っていて(?)楽しい展開が繰り広げられるのになぜか寂しさというか切なさを感じます。で、5人の過去の描写が泣けるんですよね。読んでいて登場人物が可哀想で読むのを休み休みする作品ってのは久々でした。(あ゛〜〜〜っ!支離滅裂で感想が感想になってませんね(汗))
ワタクシはラストのオチに至るまでの作者の仕掛けを読み逃し、ラストの場面で「何でこーなる?!」と目を白黒させました。きっと、登場人物に酔っていて気づかずに終わったのだと思われます。ラストは〜評価が分かれる悲しい終わり方をします。が!某L様も仰ってたのですが、この終わり方は登場人物にとっては救いのある終わり方で、他に道はなかったのだと思います。悲しい終わり方だけど読後感は良いので、まぁ、読んでみて下さい。
そして、訳者の三川基好さん。私はあなたの訳が好きで、手掛けられた作品を狙って読んでおりました。今まで有難う御座いました。最後の作品も楽しませて頂きました。



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