ジャネット・イヴァノヴィッチ(Janet Evanovich)作家略歴&著作の感想 |
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作家名 | ジャネット・イヴァノヴィッチ(Janet Evanovich) |
生年月日 | 1943年 |
生誕地 | ニュージャージー州トレントン生まれ |
処女作 | 「The Grand Finale」(?)ロマンス小説らしいですが未確認情報 |
デビュー年 | 1988年(?) |
公式サイト | http://www.evanovich.com/ |
私が愛したリボルバー (One for the Money) |
扶桑社文庫 | 初版1996年4月30日 |
あらすじ | ステファニー・プラムは30歳でバツイチ、ただ今独身。下着専門店でバイヤーとして働いていたが、会社が身売りに出されたため、やむなく失業の身に。背に腹はかえられないとばかりに飛びついた仕事はなんとバウンティ・ハンター(賞金稼ぎ)。保釈中の身でありながら裁判にも出頭せずに失踪した逃亡者を捕まえて警察に引き渡すというものだ。生まれて初めて手にしたスミス&ウェッソンを携えて、彼女は颯爽と犯罪者たちに対峙していく。CWA(英国推理作家協会)賞最優秀処女長篇賞受賞作品。
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感想 | 保釈中の身でありながら、裁判の出頭命令に背いて逃亡する者を捕まえては警察に突き出す仕事。人呼んでバウンティハンター(賞金稼ぎ)。リストラで勤めていた会社を首になった30歳バツイチのステファニーは保釈金の保証会社を営むいとこに頼み込み、バウンティハンター稼業に就こうとするのだが、いとこはお前には無理だと突っぱねる。で、ステファニーは脅迫まがいの手を使い、1週間以内にある男を捕まえ警察に突き出せば、報酬である1万ドルを払うといとこに約束させたのだが・・・。ステファニーが捕まえる相手であるジョー・モレリは警察官で、ステファニーの処女を奪った因縁の男なのだった・・・という展開です。このシリーズの魅力は何と言っても主人公と、その彼女が選んだ職業とのギャップに尽きるんじゃないかと思います。銃は嫌い、握ったこともない。だもんで、命の危険に直面してもなお、彼女は銃を握らないんですよね。握らないというか握ろうとは思うんだけど、危ないからと言って弾を装填してないもんだから持っている意味が無いわけです。やる事は大雑把、性格も自己中心的な上に行き当たりばったりで、(悪く言えばノーテンキ)運と勘と、下町ならではの付き合いの広さに頼って仕事をこなしていくんだけど〜こんな彼女が危険と隣り合わせの仕事なんて出来るのか?と読者に思わせた時点で作者の勝ちなんだなと思います(笑)。シリーズの中心的役割を果たす(であろう)登場人物のほぼ全ての紹介がこの作品でなされているので、もし通読してみたいなと思われた場合は、抑えておいた方が良い入門書的な作品です。が・・・わたしはシリーズ1作を飛ばして3作目から入ったのですが、その方が良かったかなと思います。この1作目は、シリーズ化する事を念頭に置いて書かれたんだろうけども、詰め込み過ぎといった感じがするんですよね。シリーズの売りである、脇役の活躍も少ないですし、もし手にとってみようかと思われるなら、本作は後回しにされた方が良いかも。
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あたしにしかできない職業 (Two for the Dough) |
扶桑社文庫 | 初版1997年10月30日 |
あらすじ | 「あたし」ステファニー・プラムは、保釈中の逃亡者を捕まえて警察に引き渡す、逃亡者逮捕請負人、通称バウンティ・ハンターだ。今回もなかなか捕まらない逃亡者ケニー・マンキューソを追っていると、地元の葬儀屋スパイロから妙な依頼が。なんと、棺桶二十四個を探してほしいというのだが…?天下無敵の二人組、ステファニーとメイザおばあちゃんが大活躍!CWA(英国推理作家協会)賞最優秀ユーモア賞に輝くスクリューボール・コメディ、「ステファニー・プラム・シリーズ」第二弾。
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感想 | シリーズ中の初期作品4作品を読み終わった時点でですが、本作がNO1の出来だと思います。だもんで、もしシリーズの途中から読んでみようと思われる方がいらしたら、本作をお勧めしたいです。何が良いのかというと〜本作は、主人公のハチャメチャぶりも良いんですけど、なんてったって主人公の祖母のメイザおばあちゃんが最高に好いんですよ(笑)。ケニー・マンキューソという逃亡者を追うというバウンティハンター稼業と同時進行で、葬儀屋から消えた24個の棺桶の行方を追うというシンプルなストーリーながら、謎解きの事は忘れてしまうくらい(忘れて良いのか?)ユーモア溢れるシーンの連続で、腹を抱えて笑っているうちに読了してしまいました。内容はね、わりとグロテスクな場面もあるんですよね。主人公に送りつけられてきた小包を開けたら切り取られたペニスが入っていたり、家に帰って冷蔵庫を開けた主人公が見たものは切断された足だった・・・なんていう場面もあるんだけど、こういうグロイ場面でさえ抱腹絶倒させてくれるという物語なので、読み終わってから「そういえばグロかったな」と後から気付く始末です。ユーモアミステリがお好きな方だったら、きっと満足されると思われます〜。お奨めです。
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モーおじさんの失踪 (Three to Get Deadly) |
扶桑社文庫 | 初版1998年2月28日 |
あらすじ | トレントンの地元住民に親しまれている、キャンディストアの主人「モーおじさん」ことモーゼズ・ベドミヤーが行方不明になった。モーおじさんは拳銃不法所持の微罪で逮捕されたが、裁判に出頭しなかったのだ。だが、モーおじさん探しを依頼されたステファニーがたずねていく先々でなぜか麻薬密売人の死体が続々発見されて…。ステファニーと新相棒ルーラが大騒動をくりひろげる!。「ステファニー・プラム・シリーズ」第三作。 97年CWA(英国推理作家協会)賞シルヴァーダガー賞受賞。
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感想 | 活字中毒者仲間のsさまから御紹介頂いて読んだのですが・・・実は初イヴァノヴィッチ作品だったのです。いつものように表紙の漫画が気に入らず(管理人は表紙が漫画の小説を毛嫌いしている)、食わず嫌いを通して来たんだけど〜読んでびっくり。もっすごく面白かったんで御座います(笑)。ジャンルはというとユーモアミステリなんですが、ストーリー以外が良くて(ゑ)中でも文章が面白いんですよね。登場人物たち全員がユニークで(変人ともいう)彼らの会話や主人公の独白を読んでいるだけで、笑えて笑えて一向に前に進めないほどでした。この面白さを例えるなら、ドナルドE.ウェストレイクには遠く及ばないけども非常に近い感性を持った作家だなという印象です。ま、読んだ作品が初期作品なので、この後 ウェストレイクを超えているかも(?)しれませんが(笑)。で、どんな物語なのかというと・・・ 保釈中の身でありながら、裁判の出頭命令に背いて逃亡する者を捕まえては警察に突き出す仕事。人呼んでバウンティハンター(賞金稼ぎ)。リストラで勤めていた会社を首になった30歳バツイチのステファニーは保釈金の保証会社を営むいとこに頼み込み、バウンティハンター稼業に就いたのだが、これっぽっちも軌道には乗っておらず、孤軍奮闘を続けていた。そんなステファニーにモーおじさんを探せという仕事が回って来る。モーおじさんは、町の住民に愛されるキャンディストアの店主で、モーを追うステファニーは行く先々で非難を浴び、町中を敵に回すことになる。が、なぜかモーおじさんの行方を追うステファニーの前に次々と麻薬密売人の死体が・・・という展開です。ストーリーは、はっきりいうと特別な個所はこれっぽっちもないんですが、登場人物たちが好いんですよね。大事な場面で銃を忘れ、携帯の充電を忘れるステファニーが、プロらしからぬ失敗を重ねつつも、周りの人々の手を借り、解決へと向かうというシンプルな筋立てながら、筋以上に楽しめる場面のある作品です。ウェストレイクファンなら(特にドートマンダー物)、きっと楽しめると思います。おかしな文章をここに引用したいんだけど、長くなるのでブログの方に書いてます。良かったらどうぞ。http://madara66.blog55.fc2.com/blog-entry-1124.html ![]() ![]() |
サリーは謎解き名人 (Four to Score) |
扶桑社文庫 | 初版1999年6月30日 |
あらすじ | 今回の逃亡者は元カレの車を盗んで訴えられたマクシーン・ノーウィッキー。彼女の跡を追うステファニーは、暗号で書かれた手紙を見つける。パズルマニアのドラッグ・クイーン、サリーの協力を得て何とか手紙を読み解くものの、捜査はまるで進展しない。強盗に頭皮を剥がれたマクシーンの母親も、うっかり指を切断した同僚のマージも、明らかに不自然だが、何も知らないと言うばかり。ある日、ステファニーのアパートが何者かに放火され…。「ステファニー・プラム」シリーズ第四弾。
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感想 | ミステリとして見るなら弱い個所がいっぱいあるんですよね。ステファニーの部屋を燃やした犯人なんかはミステリを読み慣れた読者なら一発で犯人が分かってしまうだろうし、主人公が振りまわされる暗号文の件でも、この仕掛けが物語に必要だったのかと疑問に思うし。ま ストーリーだけを評するなら普通としか褒めようがないんだけど、そのストーリーの大雑把さを補って余りある魅力ある登場人物たちなんですよね。レギュラーのメイザおばあちゃんや元売春婦のルーラだけでも十分に笑えるのに、今回は女装好きな服装倒錯者のサリーが(ゲイではないストレート)ぶっ飛んで面白いんですよね。どうして、こんなに面白いキャラクターを生み出せるのか、頭を捻るほど笑えました。どの辺が面白いのかこちらに書いていると長くなるので、会話の部分はブログの方に引用してます。
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けちんぼフレッドを探せ! (High Five) |
扶桑社文庫 | 初版2001年8月30日 |
あらすじ | ケチなくせに女癖の悪いフレッドおじさんが行方不明となり、あたしの家族は大騒ぎ。おまけにおじさんの自宅から、バラバラ死体入りゴミ袋の写真まで見つかって、事件に巻き込まれた疑いは濃厚。家族に拝み倒されて、気弱なあたしは無償でおじさん探しを引き受けてしまう。本業のバウンティ・ハンターとしての収入も乏しく、家賃も滞りがちだっていうのに…まったく、姿を消したいのはあたしのほうよ!「ステファニー・プラム・シリーズ」、第五弾。
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感想 | 楽しめました。いつも通り、死人は多発するけども血生臭さはこれっぽっちも感じられない作品でした(笑)。それに、ロマンス物を書いていた筆者らしい展開もありまして〜。この作品ではステフが世の女性達の理想像が服を着て歩いているようなモレリとレンジャー両方からチヤホヤされまくるんですよね。R系がお好きな方にも楽しめる展開となってました。
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わしの息子はろくでなし (Hot Six) |
扶桑社文庫 | 初版2002年4月30日 |
あらすじ | レンジャーに殺人容疑が?!バウンティ・ハンターのあたしに課せられた、遂行不可能なレンジャー捕獲作戦。なんでも彼は、銃器密売で財を成すラモス・ファミリーの三男を殺害して雲隠れしたというのだ。なのに、尾けまわされてるのは当のあたし。謎のでこぼこコンビや復讐に燃える殺人鬼に怯える日々。そのうえ、メイザおばあちゃんと犬のボブがアパートに転がりこんできて、あたしは心の休まる時がない。んもうっ、レンジャー、どこ行ったのよ!。シリーズ第六弾。
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感想 | 感想を書くのが難しくなってまいりました(笑)。なんせ、基本路線はシリーズ1作目からここまで変わってないんですよね。お金に苦労しているステファニーがバウンティハンター稼業に精を出そうとするんだけど、なぜか彼女が動く先には死体があり、そこから騒動に巻き込まれて行くというパターンは毎度一緒なんですよね。だけどもこのシリーズは、いつまで経っても成長しないバウンティハンターのステフのドジと恋模様が見どころ(?)なので、物語のワンパターンは気になりません。好き嫌いが分れると思う作品だけど、コージー系やスラプスティックコメディー好きな方だったら、ぜひ1作 読んでみて欲しいと思います。
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快傑ムーンはご機嫌ななめ (Seven Up) |
扶桑社文庫 | 初版2003年2月28日 |
あらすじ | 密輸煙草をくすねたちんけな老いぼれ、とたかを括ったのが甘かった。納屋の変死体に始まる“爺さん追跡劇”は、あたしに不利な様相を呈したまま、時間だけがむなしく…過ぎればいいものの、そうは問屋がおろさない。相棒ダギーの失踪で気もそぞろなムーンは銃で撃たれるし、夫に逃げられた姉はレズビアンになると宣言するし。なのにあたしは、呆然とする家族に、モレリとの結婚を約束してしまったのだ…そんなステファニーもたじろぐ老人力炸裂、シリーズ第七弾。
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感想 | 前作に登場していたムーンとダギーのオタクコンビが再登場します。この二人、なぜか好きなんですよね(笑)。メイザおばーちゃんが良い味出してるのはいつも通りなんですけど、本作はいつも以上に脇役陣の活躍が良くて、ニヤニヤしながら読み終わりました。物語はというと・・・裁判所への出頭命令をすっぽかした犯罪者を追跡し捕まえては警察に出頭させる仕事(バウンティハンター)をしているステフの今回の相手は煙草の輸送中に商品をくすねたというケチな窃盗犯の爺様。相手は白内障でろくに目も見えていない老いぼれなので、仕事は簡単に行くはずだったのだが、まんまと逃げられてしまう。で、ステフはその爺様の追跡中に射殺体を発見してしまう。そんでもって、友人のムーンから、ダギーが行方不明になった、探して欲しいと頼まれる。ステフは爺さんの追跡とダギーの追跡を同時進行していくのだが、謎の女にムーンが銃撃されたり、離婚したステフの姉が実家に転がりこんだりと難題続出で・・・という展開です。ミステリとしての質となると普通としか評せないけど、でもそれ以外の部分がぶっ飛んで面白いんですよね。セックスや性に関するお下劣なギャグが多発するので、そういうのが苦手な方にはお奨め出来ませんけど、それが大丈夫な方(?)だったら、是非 1作は手にして欲しいなと思います。
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やっつけ仕事で八方ふさがり (Hard Eight) |
扶桑社文庫 | 初版2003年5月30日 |
あらすじ | 隣家の老婆に泣きつかれ、姿を消した彼女の孫娘、イーヴリン探しを無償で引き受けてしまったあたし。でも、イーヴリンを追ってるのはあたしだけじゃなく、彼女の元夫やらバーグでも悪名高いアブルッツィやら、枚挙に暇がない。しかも、あたしを敵視したアブルッツィは、前代未聞の刺客を次から次へと送りこみ、嫌がらせを仕掛けてくるのだった。へっぽこ弁護士につきまとわれ、夜ごとアパートに現われるレンジャーに悩まされ、爆発炎上するのはあたしの車、それとも頭。
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感想 | モレリとくっ付いたり分れたりを繰り返しているステフが、本作ではバッチリと(?)離れちゃっていて一人身。だもんで、びっくりする展開が待ち受けているのですが〜ネタバレになるので触れられず(笑)。で、今回。ステフは実家の隣家に暮らす老女メイベルに、孫娘イーヴリンとその娘を探して欲しいと頼まれるんですよね。元夫から逃れるために子供を連れて逃げているイーヴリン母子なんだけど、その捜索中にアブルッツィというマフィア(?)に遭遇します。このアブルッツィはその昔、ステフのお陰で大損をしたというのでステフに恨みを抱いていて、次から次へと刺客を送り込んで来てステフを狙い・・・という展開です。この作品、ファンにとってはボーナスのような場面があるので(ゑ)、楽しめる事間違いなしなんだけど〜逆から見ると、主人公ステフとモレリとレンジャーの関係を理解していないと、楽しめないかも?。だもんで、初めて読まれる方の入門書には向かないかもしれません。珍しくマジな展開も多い本作ですが、ステフの母がウサギ(の着ぐるみを着た刺客)を轢き殺した場面では大笑いしました(謎。
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お騒がせなクリスマス (Visions of Sugar Plums) |
扶桑社文庫 | 初版2003年10月30日 |
あらすじ | 今年のクリスマスは、悪い冗談としか思えない―“サンディ・クローズ”という名の法廷未出頭者を追いかけるのに忙しく、ツリーやプレゼントを買う暇もない。おまけに、自宅に突然見知らぬ男が現われて、あたしにつきまとうのだ。彼は幽霊?宇宙人?ディーゼルと名乗るこの男は、来訪の方法も目的も明かさずに、クローズ探しに奔走するあたしにつきまとう。さらに苛立たしいのは、彼が最高にイイ男だということだ!。
ステファニー・プラム シリーズ外のクリスマス特別編。
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感想 | 面白かったです。といっても、ミステリとしてというわけではないのですが(笑)。本作はクリスマス特別編というだけあって、ファンタジー風というか〜ちょっとあり得ない系のストーリーなんですよね。だもんで、そういう不思議系が受け入れられない方にはお奨め出来ません。ですが、イタリア系アメリカ人家庭におけるクリスマスの習慣やらクリスマス感が面白いんですよね。ワタクシが翻訳ミステリを好きになった理由の一つが、物語を読む事で他国の習慣・食べ物・宗教観・家族の繋がりやら諸々の日本との違いが知られてるってことなんですが、そういう点でイヴァノヴィッチ作品を観ると、ワタクシの好奇心を刺激してくれる優秀作で(?)笑っている内に読了となります。作品を読み終わるたびに、作中に頻繁に出てくる「パイナップルのさかさまケーキ」ってのを見てみたくてね〜(笑)。
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九死に一生 ハンター稼業 (To the Nines) |
扶桑社文庫 | 初版2006年2月28日 |
あらすじ | 期限付きの就労ビザで働いていたインド人青年シンハが行方不明。コンピュータ・おタクだが真面目な彼を見つけるために、あたしはシンハの職場だったスロットマシン部品製造会社に赴いた。オーナー三兄弟の次男はかつて殺人容疑で告訴されたことがある、っていうのもなんだか怪しい。捜査を進めていくうちに、あたしのところには謎の花束と死体の写真、「鬼ごっこだよ。おまえが鬼だ」というメッセージが。こっちが標的になっちゃったの!?。シリーズ第九弾。
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感想 | 今回ステフのターゲットは、3カ月期限の就労ビザで滞在しているインド人青年のシンハ。シンハはステフの雇い人ヴィニーが査証保証書を発行する仕事をはじめ、シンハはその顧客だったのだが、突然姿を消したのだ。で、ステフとレンジャーは組んでシンハ探しを始めるのだが・・・シンハを探し始めた途端、ステフの元に花の贈り物が届く。その花に添えられていたのは死んだ男の写真で・・・という展開です。短期就労ビザで入国した外国人の査証保証書ってのがいまいちよく解からないんですが、そんなのがあるんですね?(笑)。で、消えたインド人を追うステフの行く先にはいつも通り死体の山でという物語なんですけど、今回は珍しくステフは飛行機に乗りラスヴェガスへ動きます。主人公が場所を移動するわけだから、当然ながらいつものプラム家の描写は少なくなるわけで〜個人的にメイザおばあちゃんの登場が少ないのが寂しかったです。とはいえ、相変わらず下品な描写は多く、存分に楽しめました(ゑ)。 |
カスに向かって撃て! (Ten Big Ones) |
集英社文庫 | 初版2008年2月25日 |
あらすじ | あたしはステファニー・プラム。裁判と保釈金をぶっちぎる不届き者を捕まえる、バウンティ・ハンターをしている。たまたま強盗の顔を目撃してしまったばかりに、少年ギャング団に命を狙われるハメになったあたしは、謎多き同業者、レンジャーの留守宅に隠れることになって…。危険も謎もイイ男も、何故かこの女を放っておけない。
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感想 | この作品から版元が集英社に変わっています。版権料が上がって扶桑社が撤退したのでしょうかね?。ま、訳者が変わらなければ、版元はどこだって良いんですが・・・レンジャー ファンのワタクシからすると大変に楽しい物語でした。何が楽しかったのかというと〜謎起きレンジャーの事務所と自宅が出てくるんですよね。少年ギャング団に狙われる事になったステファニーの危機も、いつもと違って(?)ハラハラするマジなものですし、ここ数作で感じたマンネリ感が多少、減じられているかなといった印象です。作者自身が、停滞期に入ったシリーズ作品を動きのあるものにしようとしているのでしょうね。読者を楽しませる方向へ持って行こうとする作者の努力というか足掻き(?)みたいなものが見える作品ですので、これからさらに進化してくれるんじゃないかなと思わせてくれました。そんでもって、ラストが良いんですよね(笑)。懐かしの服装倒錯者のサリーも再登場してます。
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バスルームから気合を込めて (Eleven on Top) |
集英社文庫 | 初版2008年7月25日 |
あらすじ | 「バウンティ・ハンターなんてやめてやる!」―裁判と保釈金をぶっちぎる不届き者を捕まえる仕事に愛想を尽かしたあたし、ステファニー・プラム。あれこれ転職活動してみるも、災難つづきで失敗ばかり。そのうえ、あたしの命を脅かす“亡霊”まで現れちゃって…。イイ男二人に挟まれ、謎めいた事件に苛まれ、殆んどヤケで(?)真相究明に奔走する。
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感想 | 冒頭でステファニーがバウンティー・ハンターを止めると宣言します。犯罪人を追い危険な目に遭うのも生ゴミの中を転げまわるのももう沢山だという理由から、堅気の仕事(?)に就こうとするステフなんですが、なぜかステフの元に脅迫状が届き始めます。身に覚えのあり過ぎるステフは脅迫状を気にしつつも就職活動を始めるのですが〜街中で銃撃され、車には爆弾を仕掛けられ、ついには死人まで・・・という展開です。で、この作品なのですが〜感想を書いてしまうと『あたしにしかできない職業』のネタバレに繋がってしまうんですよね。だもんで、まずはシリーズ第2作を読み終わってからどうぞ〜って事で終わりたいと思います。(残す所、あと2冊というところまで漕ぎ着けました(笑)約1ヶ月半 こればっか読んでる気がするw)
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あたしの手元は10000ボルト (Twelve Sharp ) |
集英社文庫 | 初版2009年3月25日 |
あらすじ | あたしはステファニー・プラム。裁判と保釈金をぶっちぎる奴らを捕まえるバウンティ・ハンター稼業が、最近、そこそこ天職と思えるようになってきた。この世界のノウハウを叩き込んでくれたレンジャーが、偽者レンジャーの出現で大ピンチ。あたしまでとばっちり受けちゃって、仕方なく護身用のスタンガンを忍ばせて真相解明に乗り出したものの…。
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感想 | 今回の物語はというと・・・過去の作品で、レンジャーは過去に結婚していた時期があり、子供が一人いるということが明らかにされていたのですが、その子供が今回の事件のカギとなります。レンジャーは子供を里子に出していたらしいんだけど、その里子がレンジャーに誘拐されてしまうんですよね。この誘拐犯は、実はレンジャーを装う偽者なんだけど、レンジャーはお尋ね者となり公には動けない状況に。だもんで、ステフがレンジャーの手助けをし、誘拐犯を追うのですが、誘拐犯の次の狙いはステフで・・・という展開です。笑い続けている内に読み終わっちゃうという、ミステリというよりはスラプスティック・コメディと呼んだ方が正解かというような内容なのでシリアスな物語や謎解きを期待されている方には不向きだと思われます。ですが、ワタクシは約2ヶ月で邦訳されている全作品14作品を一気読み出来ましたので〜管理人のように面白ければミステリ部分が弱くてもOKって方にはお奨めです。 |