最後の吐息


ジョージ D.シューマン(George D.Shuman)作家略歴&著作の感想
作家名 ジョージ・D・シューマン(George D.Shuman)
生年月日 ???年
生誕地  米国ペンシルベニア州
処女作  18 Seconds (2006)『18秒の遺言』
デビュー年 2006年
公式サイト http://www.georgedshuman.com/

作家略歴

 アメリカ・ペンシルベニア州生まれ。元警部補。ワシントンDCで20年間警察に勤務したベテラン。麻薬囮捜査官、特殊任務部隊、内部監査部を歴任した。警察を退官したあとは、ホテルの人材派遣の仕事を経てマサチューセッツ州ナンタケットに引っ越し、高級リゾート地の管理責任者などをしながら、小説の執筆をはじめる。2006年に「盲目の超能力者シェリー・ムーア・シリーズ」の第一作『18秒の遺言』を発表、豊富な警察知識を活かして書かれたこの作品でシェイマス賞最優秀処女長編賞やスリラー・アワード最優秀新人賞にノミネートされるなど、ミステリー界で大いに注目された。

Series Sherry Moore(盲目の超能力者シェリー・ムーア・シリーズ)
1. 18 Seconds (2006)『18秒の遺言』
2. Last Breath (2007)『最後の吐息』
3. Lost Girls (2008)
4. Second Sight (2009)


最後の吐息
(Last Breath)
ヴィレッジブックス文庫 初版2010年1月20日
あらすじ  死者の手を握ると、その人が死ぬ直前の18秒間を読み取ることができるという不思議な能力を持つ盲目の美女シェリー。今までこの能力で様々な謎を解いてきた彼女だったが、前回の事件の後、極度の鬱状態に陥り、しばらく一線をしりぞいていた。しかし恩人に乞われてある3人の女性の遺体発見現場に赴く。久しぶりに表舞台に現れたシェリーにマスコミが注目、報道されたことで、不測の事態が起こってしまう。犯人はシェリーの能力を利用し捜査陣を翻弄する。命の危険を感じつつも、新たな犠牲者を出さないため、シェリーは犯人に立ち向かうが…。

 
感想  この作品はシリーズ物の2作目にあたります。ワタクシはそうとは知らずに読んだのですが、1作目を跳ばしても、別にこれといって支障はありませんでした。ですが、主人公が前作で被った被害やらトラウマやらが描かれているので、1作目から読んだ方がより楽しめたのかもしれません。で、物語はというと・・・
カンバーランド渓谷の山中にある廃業した工場の冷蔵コンテナから3体の遺体が発見された。警察は遺体の身元について明言を避けたが、二年近く前に立て続けに連れ去られたまま行方不明の女性3人ではないかと推測していた。連れ去りの手口も犯人像も分からないままだった事件が動き出したのだ。以前にシェリーの能力を間近で見たことのある州法務長官は、秘密裏にコンテナ内の遺体とシェリーを対面させ、犯人を捜すための情報を得ようとするが、事件にシェリーがかかわったことがマスコミにリークされ・・・という展開です。粗筋だけをつらつらと読むと、超能力を持ったシェリーが派手に動き回る物語のように見えますが、実際は普通の警察小説です。犯人も脇役もしっかり造形されているので、読みやすい物語で、新人さんのわりにはなかなかやるなという印象です。ワタクシは、この犯人の不幸な身の上に同情してしまいまして、読後は寂しく感じましたけど(笑) 。
主人公の持っている能力が受け入れられない方にはお勧めしませんけど、不思議系も大丈夫って方なら読んでみてと言いたい作品です。近い内に、シリーズ第1作も読んでみようと思ってます。



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