殺し屋シュウ

野沢 尚 作家紹介&作品紹介
作家名 野沢 尚(のざわ ひさし)  
生年月日 1960年5月7日
生誕地  愛知県名古屋市  
処女作(小説では)  破線のマリス
デビュー年 1997年


作家紹介

   日大芸術学部映画学科卒業。プロット・ライターのアルバイト中に応募した作品「V・マドンナ戦争」が1983年「城戸賞」に佳作入選となり1985年にシナリオ・ライターとしてデビュー。1997年、「破線のマリス」により第43回江戸川乱歩賞を受賞し作家デビューする。趣味はカメラ。

私は全くテレビを見ないので、野沢氏を知ったのは破線のマリスを読んだ時で、有名な脚本家だと知ったのは後のことだった。この作家は新刊を出す度に作風がころころ変わるので、非常に選び難い。私の好みは「破線のマリス」や「リミット」や「魔笛」のようなサスペンス作品なのだが、テレビ向けなのかどうかは分からないが恋愛小説めいたものも書かれるので要注意なのだ。野沢氏の書く恋愛小説好きだと仰る方もいらっしゃるので、好みの問題だけなのかもしれない。 

殺し屋シュウ 幻冬舎 ハードカバー 初版:2003年5月25日
あらすじ フィッツジェラルドを愛読し、某大学文学部の研究室に勤めるシュウ。ひとたび、依頼があれば「人殺しの芸術家」に変わる。インテリでセンチメンタルな殺し屋に持ち込まれた、特殊な依頼の数々。

 
感想 1章から7章とエピローグで構成された”連作短編集”です。(といっても、1章毎に独立していない)章ごとにターゲットが変わるだけの長編という感じです。
第1章は、彼が何故普通の少年から殺人者へと変貌するのか?という生い立ちです。(この生い立ちだけで1冊の本として成り立ちそう・・・ここで止めておけば・・・・ごにょごにょ)
昼は文学部助手という、まっとうな職を持つ殺し屋の物語ですが、劇画っぽい印象を受けました。生い立ちでは、野沢氏の持ち味が存分に味わえます。
第2章からの、内容、ストーリーはちょっと漫画チック・・・。テンポはありました。活字に慣れていない人でも、スイスイ読めると思います。 あまりにも短時間で読了してしまい、ちょっと肩透かしを食った感は否めません。もうちっと厚くして欲しかったなぁー。(ページも内容も)本の帯に”新シリーズ”と書いてあったが、まさか続編も出る予定なのだろうか?・・・