ボーンマン/ゴールデン・チャイルド

ジョージ・C・チェスブロ 作家紹介&作品紹介
作家名 ジョージ・C・チェスブロ(George C.Chesbro)  
生年月日 19年月日
生誕地  アメリカ ワシントン  
処女作 
デビュー年
公式サイト http://www.dangerousdwarf.com/index.html


作家略歴

 はっきり言って無名です。現在、日本では一冊の著作もありません!
この作家の名前を知っている方は「ミステリファン」、読んだ事のある方は立派な「ミステリマニア」入りです。

経歴は全く不明です。分かっている事は17年間”Special Education School(日本でいう養護学校みたいなものだろうか?。ハンディーを持った人をSpecial Needsと呼ぶと聞いたことがあるのだが。辞書を引いたが不明。誰か教えて)で教職に就いていた事&ハンディキャップを持った子供達の教育について研究されていた事&プライベートでホームレスの救済の為にボランティア活動を続けていらっしゃる事だけ・・・。
1980年頃に3冊が、91年に1冊が上梓されたのですが、現在すべて入手不可能となっています。
著作の中にハンディキャップを持った主人公が登場します。チェスブロ氏の経歴を見れば頷けるのですが、これが日本人には受け入れられなかったんじゃないかと思う。
91年に出版された「ボーン・マン」は、”このミス”で堂々10位入賞だったのですが、その後出版される事無く現在に至っています。非常に気になっている作家です。どうしても他の著作を読んでみたい・・・10年以上、出版を待ち望んでいるのですが、いまだ夢かなわず・・・(涙)
アメリカでは28冊もの本が存在するようです・・・。著作はミステリー&ファンタジー中心の模様です。
どこかのアンソロジーに短編が収められているらしい。でも長編が読みたいんだよーーーーっ。
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どうか、一票を下さいませ・・・(ボーン・マンの感想が下記にあります。

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参考までに絶版著作・・・ボーン・マン(文春文庫)ゴールデン・チャイルド(角川文庫)囁く石の都、消えた男(パシフィカ社ハードカバー)今は古本屋でしか出会えませんが・・・。


ボーンマン 文春文庫 初版:1991年4月10日
あらすじ ある土砂降りの雨の日、N・Yのセントラルパークに人間の大腿骨を握りしめたホームレスが現われる。 体格の良い男が、凶器にも成り得る骨を握り締めているのだからボランティアの人間さえ恐ろしがる。(彼は骨を持ち歩く事から、以前からボーンと呼ばれていた) ただ、この時のボーンは以前のホームレス生活さえ覚えていなかったのだ。(それ以前の記憶も勿論無い。二度、記憶喪失になったのだ) 時を同じくしてN・Yのホームレスを狙った残虐な殺人事件が多発する。諸々の物的証拠からボーンは犯人と疑われるが、否定しようにも記憶が無いのだ。疑いを晴らすため彼の孤独な戦いが始まる・・・。


 
感想 冒頭から凄惨な殺人事件があり、描写もやけに生々しくてノワール小説かと思ったが心配は要らなかった。非常に読後感の良い作品だったのだ。
N・Yに地下世界があるのをご存知だろうか?地下鉄と密接に繋がった地下世界が作中に出てくるのだがこれがドキドキ物なのだ。冒険小説&ミステリ&サスペンス&フーダニットという盛り沢山の内容。なんで本作が絶版になったのか今でも不可解だ。
洋物ミステリは苦手と言う方も安心して読んで頂けると思う。登場人物が非常に少ない上、スピード感もある。
欧米のボランティアって?と興味を持っている方にも薦めたい。ホームレスが保護されている様子が出てくるのだが、著者自身がそういう活動をされているので、とってもリアル♪。
古書店に行かれた時には、是非思い出して欲しい。
 

ゴールデン・チャイルド
(The Golden Child)
角川文庫 文庫初版1987年9月25日
あらすじ 秘境チベットの寺院から一人の幼児が誘拐された。その子供はこの世に善をもたらす為に千年毎に生まれる『ゴールデン・チャイルド』として尊敬を集めていた。
ロサンゼルスで行方不明の子供の捜索を専門とする私立探偵チャンドラー・ジャレルは、キー・ナンと名乗る美女から奇妙な依頼を受けた。誘拐されたチベットの少年を探して欲しい、貴方が”選ばれし者だ”と。やがてチャンドラーが捜していた少女の無残な死体が発見された。全身の血を抜かれ、現場には奇妙な血文字が・・・それは時空を超えた善と悪の戦いの開始を告げる前触れだった。

 
感想 この作品はエディ・マーフィー主演映画の原作なのでご存知の方も多い(?)と思います。ジャンルはハードボイルド風ファンタジー???でしょうか?(笑)。
面白い事に探偵チャンドラーはハードボイルド探偵なのですよね。でもジャンルはファンタジーなのでありえない世界の話など読みたくないという方は手を出さない方が無難です。千年に一度生まれる不思議な能力を持った少年が誘拐され、その子を奪い返す為に悪と戦うというありがちなストーリーですが、普通のファンタジー作家が書いていないので不思議な味があります・・・が、チェスブロ以外の作家が書いていたなら読まなかったでしょう・・・。