第七の女


フレデリック モレイ(FREDERIQUE MOLAY)作家略歴&著作の感想
作家名 フレデリック モレイ(FREDERIQUE MOLAY)
生年月日 ???年
生誕地  ???
処女作  第七の女(パリ警視庁賞受賞(2007年)
デビュー年 2006年
公式サイト

作家略歴

略歴を探そうと検索してみたのですが情報が見つからず詳細は不明(汗)。後日、書き足します。(英語での記述も見つからないので英訳もまだなのか???)

第七の女
(La 7e Femme)
早川書房HPB 初版2008年6月10日
あらすじ  月曜日、事件の幕は切って落とされた。ソルボンヌ大学の女性講師が惨殺死体で発見されたのだ。百戦錬磨のニコ・シルスキー警視も思わず戦慄するほどの惨状だったが、それはほんの序の口に過ぎなかった。火曜日、はやくも犯人は第二の凶行におよぶ。現場には被害者の血液で書かれたメッセージが――「七日間、七人の女」。ニコの指揮のもと必死の捜査を繰りひろげる警察を嘲笑うかのように、姿なき殺人者の跳梁は続く。そして犯人の魔手は、ついにはニコの家族にまで……。

 
感想  久々に警察小説らしい警察小説を読んだなというのが第一感想です(笑)。ただし、評価は読み手によって割れそうな作品です。物語はというと至って簡単で〜妊娠1ヶ月の若い女性が、世にも恐ろしい方法で惨殺され見つかる。で、その翌日にも若い女性が殺されるんですが、前と同じ殺害方法で妊娠1ヶ月目。犯行現場には7日で7人って犯行声明が残されていて・・・という展開です。なぜか犯人は主人公のニコ・シルスキー警視を敵対視していて、犯行現場に残されたメッセージはニコ宛に書かれているんですよね。で〜ニコと部下たちは必死で犯人に辿り着こうとするのだけれど、警察の努力は実を結ばず次々と無辜の市民が殺されていくんですよね。この後手後手に回る警官たちが苦悩している描写は胸が塞がります。なんたって殺し方がエグイんですよね。妊娠初期の女性の手足を縛り付け、鞭打ちし〜そんでもって無残に刺し殺されるんだけど、生きている内に乳房を切り取っちゃうんですよ。読んでいてゾゴゾゴ(博多弁?)しました(笑)。フランスのミステリってのはこういうサイコ色が濃い方が好まれるのでしょうかね?。で・・・読んでいて作風は全く違うのになぜか横山秀夫氏の警察小説を思い出していました。なぜかというと、たぶんきっと淡々と描かれているのが似て見えたのだと思います。淡々と描かれているからこそ、陰惨さが際立つのかもしれませんが。ただ、手放しでお勧め出来ないんだよねぇ。それはなぜかというと、人物描写が弱く感じるから。人間を書き込んでこそミステリだと思う私にはこの点がマイナス点ですが、平均点は超えていると思われます。ゾゴゾゴしたい方にはお勧めですけど(笑)。
ちょっと、書き方に趣向が凝らされています。「彼は彼女の後をつけていた」などという風に彼・彼女とぼかして描写されている場面が多く、実際に殺されてみるまで狙われている女性が誰なのか読者にはわからない様に書かれていて、読んでいてハラハラ致しました(笑)。途中、このだます様な書き方が煩わしくなったりもしましたので〜これも評価が割れるだろうと書いた一因です。



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