定山渓・支笏湖殺人事件
 
ノベルズ 不明
あらすじ 北海道の不凍湖・支笏湖では女性、日本最大の湖・琵琶湖では男性―遠く離れた二つの湖で発見された二つの刺殺体。 死体はともに、特殊な構造を持つある凶器によって、ほぼ同時刻に殺害されていた。被害者同士の接点は皆無。 特異な凶器の出所に注目したルポライター・浦上伸介は、緻密な推理と大胆な取材で、事件の発端となったあるイベントを割り出す。 しかし、支笏湖―琵琶湖間千六百キロに及ぶ長大なアリバイの壁、さらに、 はるかな過去に遡る遠大な戦慄の犯罪構図が浦上を待ち受けていた。
 
感想 とにかく酷かった。文章が最悪なんだよね。まず、誰があやしくて誰が探偵役なのか、半ば過ぎまで読み進んだところでやっと判明した。なんというか説明文みたいな文章で、これでも元は純文学作家を目指していたと聞いて非常に驚いた。
トラミス(トラベル・ミステリー)の王と呼ばれる人なんだよ・・・この人。だが、トリックも最悪だった。特殊な構造の凶器というのはでっかい裁ちばさみの事でね、これが輸入されて売られている珍しい品だとすぐ判明するんですよ。そんで、販売元に問合せたらアッサリと売った先が判明する。 ある作家のパーティーの引き出物に使われていたと分かり、出席者全員にそのはさみを持っているか聞きに行ったら、またまたあっさりと一人だけ持っていない人がいる。売っていないはさみが凶器に使われ、持っている筈の人が持っていない。これで終わりでいいじゃないか。これのどこがトリック?!。 ここから延々と捜査は続くのだが、あまりにも情けない結末で読み終わった時はまさに”鬼の形相”になったよ。登場人物にもなんの魅力も感じず、トリックはとんでもトリックで、人物描写さえ出来ていない。描写といえば、まるで「地球の歩き方」みたいな観光地についての説明が延々と書いてあるだけ。まるで旅行案内書だよ。これを小説と呼んでいいのか?!。 元々、トラミスが苦手だったがこの作家のお陰でだいっきらいなジャンルへと変わった。よくドラマ化されるそうだが、それが良いよ。本で売るのは罪悪だ。ちなみにこの作家の本は本屋で売っていない。キオスクで売られているのだ。JRの陰謀だと思う・・・。
 
追記・・・この本は、とある病院の図書室に捨てに行きました。



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