灰色の仮面


あらすじ 僕の名前は山岸陽介。26歳、独身。物書きになろうと奮闘しているがいっこうに芽が出ない。 梅雨どきの蒸し暑い夜、白いマンションの二階から助けを求める声を聞いた僕は、その声のした部屋に入ってみた。 一人暮らしの若い女性を狙う連続強姦魔のことが話題になっていたからだ。ところが、部屋の中で女性の死体を発見した僕は、 とんでもない事件に巻き込まれてしまう。
 
感想 この作品は同じ題名で同じ内容の本が二冊存在します。最初に出した本があまりにも駄作で、というか結末が分り難い為に 読者から抗議が殺到し、全く同じ内容で結末の違う本を作者が書き直したのです。私も最初のオリジナル版を読んで「何だこりゃ?」と思いました。 私の読解力が足りないのかと思ったけれど、他にも沢山の方がよく解らないと抗議されたそうなので安心しました。

まずオリジナル版について・・・。

この本は作者のオナニー本です。かっこよく叙述を書き上げたつもりだったのでしょうが、結末を読んでスッキリしたのは作者だけでしょう。  大体、叙述って作者の腕があってこそ面白いし、読者を『あっ』と言わせる事が出来ると思うんだよね。この作者にはその腕が無い。 結末さえも読者に理解させる事が出来ないのに叙述を書こうと思うこと自体が無謀なんじゃないか。 あまりにも消化不良だったので書き直した分も購入し読んでみた。

で・・・改訂版について・・・。

改訂版は前回のオナニーで自分(作者)だけ行ってしまった事を反省したのか、結末前よりも解り易くなっています。 が・・・はっきり言って全く面白くありません。大体、ミステリって一期一会みたいな所が有って、最初の1回目の驚きを二度目が超えることは出来ないんだよね。 だから、往生際が悪く同じ題材を二度使うなんてミステリ作家としては最悪の事をやっているんじゃないかと思います。 使う手も他の著作で使用した手をまた使っているんだよね。都合、三冊で同じ手を使うなんてあんまりじゃない?。その手というのは、ワープロで主人公が寝る前に文章を書くんですよね。 で、目覚めると文章が書き直されていて、自分でやったのか誰かが侵入して書き直したのか解らない、真犯人は自分?orそれとも・・・という手。 叙述なので結末を暴露する訳には行かないけれど、兎に角酷かったんだよね。
他人が貶す本にこそ興味を持つ方!。是非!オリジナル版(最初の方)を読んで見て下さい。




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