封印再度
  
ノベルズ 手元に無いので不明
あらすじ 50年前、日本画家・香山風采は息子・林水に家宝「天地の瓢」と「無我の匣」を 残して密室の中で謎の死を遂げた。不思議な言い伝えのある家宝と風采の死の秘密は現在に至るまで 誰にも解かれていない。そして今度は林水が死体となって発見された。二つの死と家宝の謎に犀川・ 西之園コンビが迫る。
 
感想 最初に断っておくが私はこの作品を「本格推理小説の傑作」だと聞いて読んだのだよね。もし最初に恋愛物、もしくはラブコメディーだと聞いていたらこんなに怒りはしなかったと思う。
「優れた作品に出会うためには、つまらない作品をイヤというほど読まなければ ならない」(ご本人曰く)そうだ。それならと、修行だと思い読み進むが難行苦行であった・・・。
以下、ファンの方はご遠慮下さい。

とにかく読み難い文章だ。文中にゴマを散りばめたように「、」や「。」が多用されブチブチ細切れの文章。理数系の人物の書く文章は一般ピープルには読めないだろうとの配慮・親切なのだろうか?。少なくとも文筆業に携わる者の書いた文章だとは思えなかった。
 主人公のオヤジギャグにも寒気を覚えた。ハッキリ言って不快としか言えぬギャグと比喩・・・。萌絵なる登場人物の人物像にも首を捻る。彼女がエイプリルフールに吐いた嘘がラストに係わってくるのだが、この嘘の為だけに存在したのかと思われるほど魅力が無い人物だ。奇異な言動も突飛な行動も 彼女自身が抱えるトラウマでかたが付くのは、如何なものか?。トリックが中心軸なので、人物描写なんか二の次なのだろうか?。だがトリックが「とんでもトリック」だった事を考えると、どちらも中途半端だった訳だが・・・。
読んでいて”未完成”という印象を受けた。全作品を通してこんな作風なのだろうか?。謎は多い。 両主人公になんの魅力も無く、トリックもトリックと呼んでいいのかと首を捻り、文章もごにょごにょときたら何処をどう 褒めればいいのか分らない・・・。
ココまで書いて、ふと森ファンはどういう感想を書いているのだろう?と検索してみた。 すると「萌え〜」なる発言が多いことに気づく・・・。題名の洒落もオシャレなのだそうだ。他の作品にもあるらしい。「夢・出会い・魔性」(夢で合いましょう)だってさ・・・。森氏は大学の助教授だそうな。いつも”森博士”とでも呼ばれているのだろうか? それで”森博嗣”なのか?そこまでオヤジギャグを多用しませんよね?。  読み終わるのに一週間を費やした事を考えると、元は取ったのかもしれない。(通常、一日一冊のペースだから)その点では経済的な本だと言えるだろう。褒めるとすれば”経済的です”これ以上、思い当たらない。

追記・・・この本は友人Oさんの所へ旅に出ました。不幸の手紙ならぬ”不幸の本”としてさすらい続けるでしょう。