回廊亭殺人事件
文庫 初版不明
あらすじ 一代で財を成した一ケ原高顕が死んだ。妻子を持たない高顕の莫大な遺産の相続にあたって、 生前彼が残した遺言書が一族の前で公開されることになった。一族は高顕がオーナーだった、"回廊亭"と呼ばれる旅館に集められた。 さらに、一族の他に、本間菊代という老婆が関係者という形で、回廊亭に招待されていた。だが、菊代の真の目的は別なところにあった。 半年前に回廊亭で起きた心中事件の真相を探るためにやってきたのだった。その夜、第一の殺人が。心中事件に絡んで巻き起こる回廊亭 での怪事件、何がここで起こったのか?そして、何がここで起こるのか。
 
感想 突っ込みどころ満載です。この本を東野ファンの方は”傑作”と評すのだよね。一度で良いから”ファン以外”の方の感想を聞いてみたい。
  兎に角、文章が下手。これは好みの問題かもしれないが・・・。だが、一番酷いのは設定だ。あらすじにある菊代という老婆は30代の女性が変装しているんですよね。この時代に変装トリックとかよくもまあ、堂々と使えたものだと驚愕した。無理があるだろが!。 この変装した女性が回廊亭に入り込んで探偵役になるんだが・・・。(手や首を隠せたのかとか、変な所に気がいく。まるで素人の同人雑誌を読んでいる気分だった)最初『何かの古典作品のパロディーかな』と思ったほど、読者を馬鹿にした設定だ。 ホームズの変装トリックは100年以上前だよ。乱歩の明智探偵だって50年は前だろう。それをぬけぬけと・・・。ばれるに決まっているのに、これが、ばれないんだよね。演劇の特種メークを使っているからばれないんだってさ。けっ。その上、ダイイングメッセージまで出てくる。お前は山村美沙かよっっっ!!!。 このダイイングメッセの謎解きに激怒したがここでは明かさない。読んでみて欲しい。一緒に暴れましょう。
舞台になる回廊亭の見取り図まで載っているので、これを見ながら謎解きしろという意味かと思ったら、最後は掟破りのトリックを使う東野氏。 彼は最近、ミステリから遠ざかり、SFやファンタジー、オカルトの分野に行ってしまったが、その方が良いと思う。SFやオカルトなら突っ込まれる事も無いしね・・・。
追記・・・この本をどうしたか不明です。