出生地


ドン・リー(DON LEE)作家略歴&著作の感想
作家名 ドン・リー(DON LEE)
生年月日 ???年
生誕地  ???
処女作  ???
デビュー年 ???年
公式サイト

作家略歴

 在米コリアン三世で、父が外交官のため、子ども時代の大半を東京とソウルで過ごした。カリフォルニア大学ロサンゼルス校で文学を専攻し、エマーソン・カレッジで創作の修士号を取得。1988年から非営利の文芸誌Ploughsharesの主幹として活躍し、91年からはフリーの文芸出版コンサルタントも行なっている。90年ごろから短篇を発表しはじめ、2001年に出版した処女短篇集Yellowは高い評価を得て多くの賞を受賞した。その成功を受けて2004年に発表したのが『出生地』で、2005年のアメリカ探偵作家クラブ賞最優秀新人賞、アメリカ図書賞(ABA賞)などの賞に輝いた。

出生地
(COUNTRY OF ORIGIN)
早川書房 文庫 初版2006年10月10日
あらすじ 1980年、東京で一人の女性が失踪した。名前はリサ・カントリーマン。日本人と黒人の間に生まれたアメリカの大学院生で、博士論文のリサーチのため母国の日本を訪れていた。姉から失踪の知らせを受けたアメリカ大使館の職員は調査をするが、行方は知れず、麻布警察暑の刑事・太田が捜査を始める。やがてリサが日本に来た本当の目的が明らかになるが…

 
感想  正直に言わせて頂くと、ワタクシには楽しめない作品でした。以下、きつい事を書いていますので未読の方はご注意下さい。
 著者は在米コリアン3世の方で外交官のご子息。それで〜日本に滞在経験があるので、本作の舞台を東京にされたそうなのだけど・・・金持ちのガイジンの息子が、高い所から見下ろして日本を書いたって感じの描写が多くて、素直に読み進めませんでした。他国の方が読まれたら『日本人ってこうやって酒を呑むのか〜バーにいるおねーちゃんの乳を触りながら酒を呑むのか〜バーのおねーちゃんたちは客を取るのか〜日本のヤクザは死体の始末も手伝ってくれるのか〜ガイジンってだけで寄って来る素人のおねーちゃんが沢山居る国なのか〜素人とやり放題かぁ〜ノーパン喫茶って鏡を持っていくのが通なんだな〜』などと感心しながら読めるのでしょうがね。それと小説作法というか、作風なのでしょうが、なぜか読み難いのですよね(訳が悪いのか?)。三人称で著されていて、今流行の(?)映画の場面が切り替わるかのような場面展開(切り替え)があるんですけど、場面の変わり端が唐突で、章が変わる毎に読み手は『今回は誰が出てくるのさ?(主要登場人物が三人いるので3人が交互に描かれている)』と頭を切り替えるのに必死でした。それに、主人公が3人いるというのもいただけない。どの人物も人物造詣が中途半端で終わっているので、誰にも感情移入出来ないまま読了してしまいました。しかし、酷い感想だな。どこかに褒める箇所は無いのか?。この出来でMWA処女長編賞を獲ったとは面妖なっっとその年のノミネート作品を調べてみたら〜ライバルの名にマイクル・コリータがあったよ〜(笑)。なるほど、2005年の新人賞は不作だったんだね。
日本人以外の方が日本を舞台にした作品という事であれば、バリー・アイスラーの方が断然巧いですね。



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