負け犬の街


ダニエル・デップ(Daniel Depp)作家略歴&著作の感想
作家名 ダニエル・デップ(Daniel Depp)
生年月日 1954年
生誕地 
処女作  『負け犬の街』
デビュー年 2009年
公式サイト

作家略歴

 1954年生まれ。俳優ジョニー・デップの異父兄。ケンタッキー大学で古典や欧州史を学び、図書館等で働いた後、カリフォルニアで中学校教師を十年務める。その後、弟に誘われ、映画製作会社「スカラマンガ」を設立、ジョニーの主演・初監督作品『ブレイブ』(97年)の脚本を共同執筆した 。

判る範囲で著作リスト
Series David Spandau (探偵デイヴィッド・スパンドウ シリーズ)
1. Loser's Town (2009)『負け犬の街』
2. Babylon Nights (2010)

負け犬の街
(Loser's Town)
小学館文庫 初版2009年12月9日
あらすじ  元スタントマンの探偵デイビッド・スパンドウにひとつの仕事が舞込む。依頼人は新進スター俳優のボビー・ダイ。映画『ワイルドファイヤー』撮影中の彼のもとに、数日前、「お前に死(ダイ)んでもらう」という脅迫状が届いていた。真犯人を追ううち、スパンドウは複雑に絡みあったハリウッドの黒い人間関係に行き着く。虚栄に彩られた倒錯の世界と対峙するスパンドウが最後に見たものとは…。俳優ジョニー・デップの実兄ダニエル・デップが、ハリウッドで映画製作に携わった経験をもとに著されたデビュー作。

 
感想  探偵小説ですがミステリだと思って読むと拍子抜けするかもしれません。主人公は探偵ですが彼の請けた仕事というのがハリウッド俳優の警護なんですよね。で、物語は麻薬が絡んでくるクライムサスペンスなんですけど、内容はどっちかというとノワールっぽいのですよ。なので、純粋な謎解きを好まれる方にはお勧めしません。が、この主人公のスパンドウが魅力的なんですよ。ロスアンジェルスのセレブ層を相手にしている探偵なんだけど、街での生活を嫌っていて、休暇をとるとロサンゼルスから脱出し、地方でロデオ大会に出るのを楽しみにしているといる、根は純粋なカウボーイ野郎なんですよね。主人公の人物造詣や脇役の造詣など、新人さんのわりにはしっかりしていて、これは脚本を書いたことがあるという下地のお陰だろうなと思わせます。推理小説としてみると物足りない場面はいっぱいあるけれど、楽しんで読了できましたので、主人公の魅力で読む作品だと言えるかもしれません。デビュー作が本作で、あと2作品はスパンドウ物を書くそうなので、次作を楽しみに待ちたいと思います。



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