カルロス・ルイス・サフォン(Carlos Ruiz Zafon)作家略歴&著作の感想 |
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作家名 | カルロス・ルイス・サフォン(CARLOS RUIZ ZAFON) |
生年月日 | 1964年 |
生誕地 | スペイン バルセロナ生まれ |
処女作 | 『霧の王子』 |
デビュー年 | 1993年 |
公式サイト |
風の影 (LA SOMBRA DEL VIENTO) |
集英社 文庫 | 初版2006年7月25日 |
あらすじ | 1945年のバルセロナ。霧深い夏の朝、ダニエル少年は父親に連れて行かれた「忘れられた本の墓場」で出遭った『風の影』に深く感動する。謎の作家フリアン・カラックスの隠された過去の探求は、内戦に傷ついた都市の記憶を甦らせるとともに、愛と憎悪に満ちた物語の中で少年の精神を成長させる…。
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感想 | この作品の何が良いかと問われたら〜冒頭からの20ページだと答えます。物語もなかなかに良く出来ていて楽しめるのですが、一番良いのは冒頭の数ページですよ(笑)。最初の数ページで読者を母親を亡くした主人公の少年に感情移入させ、その上、→の言葉で締める。『本を読むものにとって、生まれて初めて本当に心にとどいた本ほど、深い痕跡を残すものは無い。はじめて心に浮かんだあのイメージ、忘れた過去においてきたと思っていた言葉の余韻は永遠にぼくらのうちに生き、(中略)その先の人生で何冊本を読もうがどれだけ広い世界を発見しようが(中略)ぼくたちは必ずそこに帰っていくのだ』←この文章を読んで、物語に入り込まない本好きが居るならお目にかかりたい。この作家、プロットやらなんやらは、まぁ普通だけど(失礼)この冒頭が良い出来なので、いざなわれるように物語に入り込めます。きっと、この本が売れているというのはジャンルを問わず本好きに受けているからだろうって気がします(笑)。 で、感想。『風の影』版元集英社が『ダヴィンチコード』擁する角川書店に負けてなるものかと(?)宣伝活動に力を入れているせいか、本作は話題作らしく〜わたくし如きが感想を書くまでも無いと思われますがちょっとだけ。 ジャンルは冒険小説です。冒険小説ミステリ仕立て、ソースは恋愛友情親子愛・・・ってトコでしょうか(笑)。本好きにお薦めしたい作品だけど、逢坂剛作品なんかを読んで、内戦前後のスペインが描かれた作品って良いな〜って思われた方にもお薦めです。(わたくし、実をいうと内戦前後を描いたスペインを舞台にした物語を探しているのですよね〜(笑)。ご存知の方、教えて下さいませ) |