コーディ・マクファディン(Cody McFadyen)作家略歴&著作の感想 |
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作家名 | コーディ・マクファディン(Cody McFadyen) |
生年月日 | 1968年 |
生誕地 | テキサス |
処女作 | 『傷痕』 |
デビュー年 | 2006年 |
公式サイト | http://www.codymcfadyen.com/index.html |
傷痕 (SHADOW MAN) |
ソニーマガジンズ文庫 | 初版2006年11月20日 |
あらすじ | 凶悪犯に夫と幼い娘をなぶり殺され、自らも顔と心をずたずたにされた辣腕FBI捜査官のスモーキー。心の傷が癒ぬまま休職中の彼女に、ある日部下から連絡が入った。親友が惨殺され、現場にはボニーという少女と、犯人からスモーキーあての挑戦状が残されていたという。自分と同じような凄惨な体験をして傷ついているボニーを引き取ることによって心の問題に折り合いをつけたスモーキーは職務に復帰、優秀な部下と共に必死の捜査を始める。だが、切り裂きジャックの末裔をかたる犯人は、いまだかつてない残虐さで捜査陣を翻弄し続け・・・・・・。
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感想 | 処女作にしてはなかなかの出来です。が!面白いんですが〜なぜかこの作家の文章で気になる箇所が多かったのですよね。訳のせいかな?それともこの作家の細切れで短い文章のせいかな?(英語圏の作家ではこういう文体は案外と多いんだけど個人的に気になる)とか考えつつ読了したんですけど、感想を書く段になって理由が判明(笑)。この作家、男性だったんですね!。私は何の前知識も無く本を読むのが好きなので何も知らずに読んでいて、てっきり女性が書いたもんだと思いこんでいました。だから、文章に違和感を覚えたのでしょうね。主人公が女性なんですけど、それにしては言い回しが変だなと思う箇所が多かったのですよね。なるほど。まぁ、そんなに気になるほどの瑕じゃありませんので(笑)。
で、感想。 この物語を犯人探しのミステリとして読むなら評価が辛くなるかもしれません。犯人も何となく途中で分かっちゃうのですよね。残忍な殺害方法や凶悪な犯人、切り裂きジャックの模倣犯・・・なんてのも他の作家が腐るほど書いているので目新しさは無い。けど、読ませる理由は〜この作家、人物造形で手を抜いていないんですよね。ほんのちょっと出てくる脇役でも被害者でもしっかり肉付けされているので人物像が目に浮かぶのですよ。どの登場人物にも現在があって過去があって魅力があって、読み進むうちに登場人物の顔が見えるというか〜プロフィールが作れるくらい書き込んである。そして、子供の使い方が巧い(笑)。人を描くのが巧いのがこの作家の魅力だと言えるのかもしれません。本国では第2作が既に上梓されているようなので、次回作でどれだけプロットが良くなっているのかが楽しみです(←偉そうな(笑))。 ![]() |
暗闇 (The Darker Side) |
ヴィレッジブックス文庫 | 初版2010年6月19日 |
あらすじ | 幾多の難事件を解決してきた辣腕FBI捜査官スモーキーは、ある極秘捜査を命ぜられる。飛行中の機内で、誰にも気づかれず殺害された美しい女性リサは、次期大統領と目される大物政治家の娘だったのだ。遺体を見たスモーキーは、彼女が“男性”だと知る。そして、その腹部には謎の数字が刻まれた、ある“シンボル”が残されていた!性転換者を憎むあまりの殺人なのか?犯行の目的がつかめぬまま捜査を進めるうち、酷似した手口で惨殺された元売春婦の存在を突き止める。それを予期したように、すでに犯人は次なる恐るべき“作品”を用意していた―サスペンス界の貴公子がおくる、徹夜覚悟の衝撃作(←注・版元の売り文句です)。
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感想 | 物語は前回の事件の二年後が描かれています。で、内容はというと・・・FBI捜査官スモーキーはFBI長官から直々に極秘捜査を命ぜられる。次期大統領と目される政治家の娘リサが高度1万メートルを飛行中の航空機内で誰にも気づかれずに殺されたという事件の捜査だった。大物政治家の娘は実は性転換者で、 犯人は性転換者を憎む狂人なのか不明なまま捜査が進むが、全く同じ手口で殺された元売春婦が見つかり、事件は連続殺人事件へと発展・・・という展開です。 で、感想ですが〜ワタクシだけなのかもしれませんが、やっぱり作者は男性なんだなという違和感がチラホラと感じられるのですよね。ストーリーが前作にもまして扇情的(?)で、スリラーとしては平均点なのかもしれませんが、何かが足りないと感じるのはなぜ?(笑)。なんかな〜読んでいてジェフ・リンジーの『デクスター』を思い出すのですよね。テレビドラマの脚本を読んでいるような感じって言えばいいのかな。自分でも何が気になっているのか解からないので、読まれた方の感想が知りたい作品でした(汗。 |