ブライアン・フリーマン(BRIAN FREEMAN)作家略歴&著作の感想 |
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作家名 | ブライアン・フリーマン(BRIAN FREEMAN) |
生年月日 | ???年 |
生誕地 | ??? |
処女作 | IMMORAL |
デビュー年 | 2005年 |
公式サイト | http://www.brianfreeman.com/ |
インモラル (IMMORAL) |
早川文庫 | 初版2007年3月10日 |
あらすじ | 妖しい緑色の瞳、艶のある唇、豊かな胸。その少女の肢体は淫らすぎた・・町じゅうの男を虜にしていた17歳の女子高校生レイチェルが忽然と姿を消した。失踪直前、同級生の男を誘惑し、嬉々としていた彼女がなぜそんな不可解な行動を? ダルース警察のストライドは、レイチェルの義父が娘に色目を使っていた事実を知り、義父を逮捕する。やがて法廷で審理が始まるが、そこには悪夢が……マカヴィティ賞最優秀新人賞受賞作。
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感想 | 帯やあらすじを見てこの本を買われた方は期待外れだったでしょうし、エロいのは嫌だと避けられた方は損をしています(笑)。これ、版元は売り方を間違えてますね。本作にエロ味は全くなく、正統派のミステリですので、正攻法で売った方が良かったんじゃないかと。これが処女作だそうですが、非常に良く出来た物語ですので、目の肥えたミステリファンにお奨めしたい作品です。 で、ストーリーについて。 町中の男たちを虜にする色香を放つ女子高生レイチェルが忽然と姿を消す。レイチェルの近所では過去に他の女子高生も行方不明になるという事件が起こっており、狭い地域で二人の女子高生が消えたとなると、同一犯による連続殺人事件ではないかと捜査が始まるのだが・・・浮上した容疑者はレイチェルの義父。捜査を進めていくうちに次々と義父とレイチェルの怪しい関係が浮かび上がり、ついにはレイチェルの血痕と彼女の衣服の切れ端が見つかる。義父はレイチェル殺人の容疑で起訴され、裁判にかけられるのだが、死体無き殺人事件では検察側の勝利の望みは薄く・・・といった展開です。途中から裁判のシーンが始まり「ほうぅ。リーガル物みたいだな」と思ったのも束の間で〜ネタバレしちゃうとこの義父は無罪を勝ち取る前に死んじゃうんですよね。で、真相は闇の中のまま、後半へ突入して行くのですが。ここからは一気読み確実です。オチはね、巧いけど予想できるオチで、そう珍しい終わり方ではないけど、破綻の無い計算された終わり方をしますので〜大方のミステリファンを満足させられる出来だと思います(笑)。お奨めです。(某Lさま、お奨めくださって有難う御座いました♥) ![]() ![]() |
ストリップ (STRIPPED) |
早川書房 文庫 | 初版2007年11月21日 |
あらすじ | ラスヴェガスの路上で娼婦と行為中、男が射殺された。捜査を始めたストライド刑事は、事件前に被害者の変態的なセックス画像がネット上に流出していた事実を知る。そして次々現われる容疑者たち。男に妻を寝取られた俳優、被害者と確執のあった父親、闇社会を牛耳る実業家。同じ頃、別の町で少年が轢き殺された。やがて事件は意外なつながりをみせ……。
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感想 | 前作『インモラル』を読んでいる時にも感じてたんですけど、いつかどこかで出逢っているような不思議な感じがする作家なのですよね。で〜この既視感は何なのだろう?と思っていたんですが、本作『ストリップ』を読了しやっと解りました。この作家、筋立てというか構成の仕方やなんかがハーラン・コーベンっぽいのですよね(笑)。次から次へ謎が謎を呼び、ラストに向かうにしたがってパズルのピースが埋まって行くが如き展開は、まさにコーベンお得意の手法で、フリーマンはコーベンに近いものを目指しているんだと思います。コーベンほどの整然さはフリーマンにはないけれど、フリーマンには人物造形の巧さがあるので負けていないんですけどね。 で、物語についてですが。 面白いのですが突っ込みどころも多いです(笑)。次から次へと殺人事件が起き、その事件に意外な繋がりがあることがわかって来て〜〜〜で、犯人が誰かわかると言う展開なんですけど、ちょっと作者に都合よく進み過ぎだなといった箇所があります。ただし〜その都合のよさも物語りに入り込んで読んでいたら、気にならない程度です。この作家のウリは読者をぐいぐいと引っ張っていく手腕にあるような気がするので、ここに多くを書かないで終わります。お奨め作品ですが、出来るなら前作『インモラル』を読まれてからどうぞ。なぜ、主人公が作中で孤独感を感じているのかが分かっているか否かで、感情移入する度合いに差が出そうなので(笑)。(2008年3月10日読了) |