囚人分析医


アンナ・ソルター(Anna Salter)作家略歴&著作の感想

作家略歴

性犯罪問題を専門に扱う司法心理学者・セラピストとして活動し、ウィスコンシン州矯正局のコンサルタントに勤務。そのかたわら執筆活動を行ない、1997年、心理学者マイケル・ストーン・シリーズ第1作Shiny Waterを発表。同シリーズはFault Lines(1998)、White Lies(2000)、と書き継がれ、第4作にあたる『囚人分析医』はエドガー賞最優秀ペイパーバック賞にノミネートされた。ウィスコンシン州マディソン在住。

注・・・日本で邦訳されているのは1作品のみですが、本国では4作品上梓されています。(全て女性心理学者マイケル シリーズ。2006年4月現在)他にノンフィクションも3作品、上梓されています。

囚人分析医
(PRISON BLUES)
早川書房 文庫 初版2004年4月15日
あらすじ  娠八カ月を迎え、出産に不安を抱く女性心理学者マイケルのもとに衝撃的な知らせが届く。刑務所につとめる女性カウンセラーが、囚人と性交渉し、医療資格を剥奪されかかっているというのだ。なぜ女性は逸脱した行為をとったのか?さらに厳重な監視体制下の刑務所内で、幼児虐待犯が殺害された。すべての囚人がこの殺人の容疑者という状況のなか、マイケルは真相を追うが…

 
感想  うーん。自信を持って言えるのは、この『囚人分析医』は売れていないだろうって事と、この作品はシリーズ作品ではあるけれど、続編は翻訳されないだろうなって事でしょうか(笑)。というのも、二番煎じって感があるからなのですよね。パトリシア・コーンウェルの後釜狙いっていうのがミエミエで、楽しめませんでした。
 女性心理学者マイケルに『マイケルの元同僚の女性カウンセラー(アイリーン)が刑務所内で囚人とSEXし、解雇。その上、医療資格を剥奪されそうになっている』と知らせが入る。で、マイケルは刑務所所長に頼まれ、アイリーンの仕事を引き継ぐ事に。刑務所内に出入りする事になったマイケルはなぜアイリーンが囚人と性交渉を持つに至ったのか調べ始めるのだが、その矢先に幼児虐待犯がムショ内で惨殺され・・・というストーリーです。『なーーーんか面白くないなぁ』と思いつつ読み進んだのですが、その原因はこの作品がシリーズ物の第4作だからかもです。全体的に人物造詣&描写が弱いんだけど、これはシリーズを最初から読んでいれば問題じゃないんでしょうが、作者の腕が足りない所為でもあるとおもうのですよね。面白い作品は、例えシリーズの半ばから読んだとしても楽しめるはず。



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