アレックス カーヴァ(ALEX KAVA) 作家略歴&著作の感想 |
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作家名 | アレックス カーヴァ(ALEX KAVA) |
生年月日 | ???年(1982年にカレッジを卒業されているので1959年前後か?) |
生誕地 | ネブラスカ州 Silver Creek |
処女作 | 悪魔の目(A Perfect Evil) |
デビュー年 | 2000年 |
公式サイト | http://www.alexkava.com/ |
揺らめく羨望 (AT THE STROKE OF MADNESS) |
MIRA文庫 | 初版2005年8月15日 |
あらすじ | 久しぶりの休暇を控えた捜査官マギーは、友人の医師グウェンから深刻な電話を受けた。実家に帰ったまま連絡が途絶えた女性患者の足取りを調べてほしいという。患者とは距離を置くグウェンがこのような頼み事をするとは珍しい。マギーはどこか引っかかるものを感じた。翌日、例の患者が消えた町の近くで無数のドラム缶詰め死体が見つかった。まさか…。最悪のシナリオを覚悟し、マギーは休暇返上で現地に向かった。全米ベストセラー(ホントかよっっっ?!)・シリーズ第四弾。
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感想 | シリーズ化されていて、既に4作品が邦訳されているのだから、きっと面白いに違いないと思って読んだのですが・・・肩透かしをくらいました(涙)。なんかね、今までに他の作家が書いたネタを繋ぎ合わせて、プロットを組み立てたって感じなのですよね。たった一冊を読んで、この作家を評する事は失礼だと思うので、もう1作品だけ読んでみるつもりです。 ココから先、かなり突っ込んで書いています。ネタバレしていますので未読の方はご注意下さい。 まず、一番気になったのは人物造詣が手緩いというか疎かだという事。登場人物の全てが上っ面だけ取り繕われた風で、全く魅力を感じないのですよね。例を挙げるなら登場人物の中に法医人類学者が出てくるのですが、骨の専門家で変人という人物造詣はアーロン・エルキンズのギデオン・オリバー シリーズそのままなのですよね。あんまりじゃない?!。そして、プロットのお粗末さ。今までに売れっ子作家が使った手を、紡ぎ合わせたという感じで、独自性が感じられません。連続殺人犯が標的の臓器を記念品として持ち帰るなんて、よくある話だし、その連続殺人犯が幼い頃に受けた虐待が原因で精神を病んでいるってのもありふれている。そんでもって、犯人のお母さんは代理ミュンヒハウゼン症候群だったのですよね。これもパトリシア・コーンウェルがだいぶ前に使った手だし、いただけない。それと作中で、作者が犯人をミス・ディレクションする箇所が数多くあるのですが、ミステリを読みなれた方なら絶対に引っ掛からないディレクションなのですよね。でね、『これはミス・ディレクションだ』と気がついてしまった所為で、早くから『犯人はこいつだろう』と分かってしまい面白さが半減という逆効果に終わっています。最後のエピローグで、犯人が入れられている精神病院の描写があるんだけど、何人殺したのか分からないほどの凶悪な殺人犯なのに、個室に入れられていないのですよね。でね、その同室に入れられた他の患者が、犯人の次の標的になるワケだけど、ありえないでしょ?って感じです。で、読了して思うのは、プロットが、例え誰かが使った手の焼き直しでも、人物造詣さえしっかりしていれば、問題にならないハズなのに、この作家は手を抜いているんだなって事。元々、実力が無いだけかもしれないけどね。 かなり辛口な感想になってしまった・・・。 |