アラン フォルサム(ALLAN FOLSOM)作家略歴&著作の感想 |
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作家名 | アラン フォルサム(ALLAN FOLSOM) |
生年月日 | 1941年 |
生誕地 | ボストン |
処女作 | 狂気のコードネーム |
デビュー年 | 1994年 |
公式サイト | 版元のサイト? (↑公式サイトではなさそうですが、新刊の冒頭が読めます) |
告解の日 (DAY OF CONFESSION) |
新潮社 文庫(上下巻) | 初版2000年11月1日 |
あらすじ | ローマ教皇の誕生日を祝うミサで、枢機卿が暗殺された。その数日後、ロスの弁護士ハリー・アディソンの留守番電話には、神父としてヴァチカンに配された弟ダニーからの切迫した伝言が残される。そして、ダニーを乗せてアッシジへ向かうバスが爆破された。弟の遺体を引き取るべくローマに赴いたハリーは、自分が恐るべき陰謀の渦中にあることを悟る―。
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感想 | ロスの弁護士ハリーが自宅の留守番電話のテープを再生すると、長年疎遠だった弟からのメッセージが録音されていた。弟は神父としてバチカンに配されているのだが、その電話の内容は彼の身に危険が差し迫っているような内容だった。弟を心配する兄ハリーは、何とか弟と連絡をとろうとするのだが、連絡がつかぬまま。そして、弟ハリーの乗ったバスが爆破され、遺体を引き取りに向かったハリーは空港に着いた途端、警察の執拗な取調べを受ける。警察は『弟は枢機卿暗殺の首謀者で、ハリーは弟を金銭面で援助していたのではないか?!』と疑っている。そして、ハリーは弟の遺体と対面を果たすのだが、遺体は別人のものだった・・・というストーリーです。 これ、なかなかに面白い作品です。冒険小説で面白い作品に当たったのは久々って感じですね。舞台はバチカン、陰謀の中心にいるのもバチカン市国国務長官、狙うは中国の神聖ローマ帝国化!事件の鍵を握るのは一人の神父、という罰当たりなストーリーで、物語だけ見ると『ちょっとありそうにない物語だな』と思いはするのですが、それでも物語にのめり込んで読めます。生きているのか死んでいるのか分からない弟を助け出すべく動き出すハリーなのですが、ひょんなことから警官殺しの容疑者にされ、自分も追われる身になるなんて、巻き込まれ型冒険小説の王道でしょ?(笑)。で、出てくる登場人物たちが良いのですよね〜。命を懸けてでも神父を守ろうとする人たちの助けがあって、結末へと進んで行くのですが、この辺りが良いのですよね(笑)。ラストの救出劇もなかなかでした。 (腹が減っているのでワケワカラン感想になってしまい・・・汗) 冷戦構造が終わってから、冒険小説がつまらなくなったなぁ〜って方にお薦めの作品です。 ![]() ![]() |
皇帝の血脈 (THE EXILE) |
新潮社 文庫(上下巻) | 初版2005年11月1日 |
あらすじ | ジョン・バロンは胸を躍らせていた。これから永遠の追跡と逃亡の旅が始まるとも知らずに…。殺人課刑事にとって憧れのロス市警5‐2班に配属されて初の捜査は、簡単な任務と思われた。だが犯人は逃走。その追跡劇のさなか、彼は伝説の5‐2班の邪悪な一面と美貌の殺し屋レイモンドの存在を知る―。ロス、ヨーロッパ、モスクワをまたぐ壮大な陰謀の糸が、その姿を現しつつあった。
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感想 | 『告解の日』ではヴァチカンの陰謀が描かれておりましたが、今度はロシアのロマノフ家末裔の野望が描かれています。この作家、大掛かりなスケールのモノを(荒唐無稽とも呼べる?(笑))好まれるようですね。 殺人課刑事の中でもトップクラスの刑事だけが選ばれる5-2班に配属されたジョン・バロン。初の捜査は列車に乗った犯人を捕らえるという簡単なものだったのだが、その列車には冷酷な殺し屋レイモンドが同乗していた。5-2班は全力で殺し屋を追うのだが、逮捕の過程でレイモンドを射殺しようとした同僚を撃ち殺してしまうジョン・バロン・・・。(ココまでが第一部) この第一部が良いのですよね〜〜〜。第一部はバロンとレイモンドの二人が主人公のように描かれているのですが、これが良いんですよ。追う警察側と追われるレイモンドの描写は、読み応えが有ります。(色々書いちゃうとネタバレに繋がるストーリー展開なので、ここまでで止めますが!冒険小説好きな方や追いかけっこモノを好まれる方にお薦めです。昔懐かしい冒険小説(陰謀、謀略モノ)を好まれる方にもお薦めです) |